Google、ディスプレイ広告の潮流示すキャンペーン「このスペースのこれから」


「このスペースのこれから」キャンペーンサイト

 グーグル株式会社は、同社のディスプレイ広告事業を認知してもらうためのキャンペーン「このスペースのこれから」を開始した。

 「このスペースのこれから」と題したサイトを開設し、ディスプレイ広告の配信先となるGoogle Display NetworkやYouTube、DoubleClickのテクノロジーについて、それぞれ活用事例や広告主に提供される各種ツール・手法などを紹介している。

 グーグルのメディアセールス統括部長である近藤弘忠氏によると、今年5月に同社がディスプレイ広告事業の強化を発表して以来、YouTubeへの出稿を中心に、国内でもディスプレイ広告が活用されるようになったとしており、大手広告主トップ10社のうち8社が活用したという。今回は、「キャンペーンを通じて、広告主や代理店に向けて、ディスプレイ広告の潮流や未来を語りたい」としている。

 なお、同キャンペーンは米国や欧州など世界で展開されるもので、英語版サイト「Watch This Space」はすでに公開されていた。9月9日付のGoogle公式ブログでは、Googleにとってディスプレイ広告が決して“次期”ビックビジネスなどではなく、すでにGoogleや広告主にとって主要なものになっていることをアピールしていた。

 また、米Googleが10月14日に2010年7~9月期の四半期決算を発表した際には、テキスト広告を除く同社のすべてのディスプレイ広告(YouTubeサイトやモバイル端末で表示されるものを含む)について、年間収益が推定25億ドル規模になるとの予測を提示している。

 同社がディスプレイ広告事業について通年の推定収益額を公表するのは初めてだが、これについてGoogleアジア太平洋メディアセールス部門ディレクターのShailesh Rao氏は、「研究・開発を含め、Googleがいかにこの市場にコミットしているか、この市場に対する意気込みを示したい」として公表することにしたという。Rao氏によると、Googleの広告主トップ1000社のうち99%がすでにディスプレイ広告を出稿しているという。

 Rao氏はまた、ディスプレイ広告の今後について、1)50%が動画を含むものになること、2)配信先として、モバイルがデスクトップを上回りトップになること、3)クリック数ではない別の指標が生まれ、広告効果の測定が重視されるようになること、4)ブランドキャンペーンの半数は今後、インタラクティブなリッチメディアを利用したものになること、5)ディスプレイ広告の世界市場は2015年までに500億ドル規模になること――という5つの予測を提示。ディスプレイ広告が今後、大きく発展するとアピールした。


Googleアジア太平洋メディアセールス部門ディレクターのShailesh Rao氏グーグル株式会社メディアセールス統括部長である近藤弘忠氏




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(永沢 茂)

2010/10/27 18:42