「Googleローカルショッピング」開始、実店舗の価格や在庫情報が検索可能に


「Googleローカルショッピング」の検索例

 グーグル株式会社は16日、実店舗で販売されている商品の価格や在庫情報が検索できるサービス「Googleローカルショッピング」を開始した。16日時点では、ヨドバシカメラ、無印良品、ブックファースト、東急ハンズ、マツモトキヨシ、HMV、にしてつストアの各店舗の商品が検索でき、近日中にローソンの商品も検索可能となる予定。

 「Googleローカルショッピング」は、ECサイトで販売されている商品の価格などを検索できる「Googleショッピング」の検索範囲を拡大し、実際の店舗で販売されている商品の情報も検索できるようにするサービス。

 地域を指定して商品名で検索すると、これまでのECショップの検索結果に加えて、その商品を販売している付近の店舗の件数が表示される。さらに各商品の詳細ページでは、店舗の場所がGoogleマップ上にプロット表示され、各店舗の電話番号や営業時間、在庫の有無が表示される。スマートフォン(iPhone/Android)からの検索にも対応する。

8社の実店舗で販売している商品の情報が検索可能にスマートフォンからの検索にも対応
グーグルの鈴木宏輔氏

 グーグルのプロダクトマネージャーを務める鈴木宏輔氏は、「Googleショッピングはオンラインショッピングに特化した検索サービスだが、統計によると日本市場のEC化率は3%程度だという。残り97%の店舗の情報を検索できるサービスとして、Googleローカルショッピングを開発した」と説明。スタート時点でパートナー企業は8社だが、今後はさらに参加企業を募り、2012年度には100社程度の参加を目指すとした。

 商品の価格や在庫などの情報については、「Googleショッピング」と同様に企業側が提供する情報をグーグルが取得して表示する仕組みで、情報の更新頻度は最低でも1日1回、提供企業によってはほぼリアルタイムで表示される。ただし、店舗側がデータを用意すれば自動的に検索可能になるわけではなく、Googleローカルショッピングにパートナー企業として参加している企業の商品情報が検索対象となる。鈴木氏は、「在庫情報なども含めた形でのデータ提供は企業にとっても大変で、当面はパートナー企業と密に連携を取りながら、情報のクオリティを確保した上でサービスとして提供していく」とした。

ヨドバシカメラの藤沢和則氏

 株式会社ヨドバシカメラの藤沢和則副社長は、パートナー企業として参加した目的を「実際の店舗も安いということを知ってもらうため」と説明。「ネットの方が安いと言われることも多いが、リアルの店舗も価格やサービスで激しい競争をしている。ヨドバシ・ドット・コムでも店舗の在庫情報を表示しているが、今回のサービスでさらにモバイルや位置情報と紐付いたサービスが提供できる。我々の業界で、こうした実際の販売価格をオープンにすることはある種のタブーでもあったが、お客様のメリットになるのであればさらにサービスを拡充していきたい」とコメントした。


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(三柳 英樹)

2011/9/16 17:17