トレンドマイクロがバッテリー管理アプリ、クラウドで浪費元アプリを判定

スマホから「電話専用モード」への一発切り替えも


 トレンドマイクロ株式会社は2日、Andoridスマートフォン向けのバッテリー管理アプリ「トレンドマイクロ バッテリーエイド(BatteryAID)」を公開した。現在はベータ版として無償提供しており、Google Playからダウンロードできる。Android 2.2./2.3/4.0/4.1に対応する。

「トレンドマイクロ バッテリーエイド」ベータ版

 バッテリーエイドの主な機能としては、まず「電話専用モード」がある。スマートフォンの電力消費にかかわってくるAndroid OSの各種設定項目を1タップで一括して切り替え、電話とSMS以外の通信機能などをオフにすることで消費電力を抑える仕組みだ。具体的には、3G/4Gデータ通信ネットワークやWi-Fi接続、Bluetooth、自動同期をオフにするほか、実行中のアプリをすべて閉じる。また、画面の明るさを20%に下げるとともに、15秒間タッチがなければバックライトを消灯するよう設定する。同モードでオフにする項目をカスタマイズすることも可能だ。

「電話専用モード」の概要

 指定した時間帯やバッテリー残量により、自動で電話専用モードに切り替わるよう設定することも可能。例えば、就寝中の深夜の時間帯は電話専用モードにしたり、逆に日中でも社用端末を使う業務時間帯はプライベートのスマートフォンを電話専用モードにするといった使い方が可能だという。

 なお、設定項目のカスタマイズが可能とはいえ、電話専用モードはその名称から考えると、スマートフォンとして主要な機能をあきらめることで、なんとかバッテリーを最大限持たせるための手段という印象がある。

「電話専用モード」のカスタマイズ画面

 これに対して、通常時にこまめに使用するのにちょうどいいのが「今すぐ最適化」ボタンだ。これをタップすることで、簡単に電力消費を最適化できるとしている。具体的に最適化する項目は、「よく使うアプリ」以外をすべて停止(よく使うアプリは追加可能)、Wi-Fiのオフ、Bluetoothのオフ、画面の明るさを20%下げる、15秒間タッチがなければバックライトを消灯する――といったものがあり、どれを実行するかカスタマイズ可能だ。最適化によって増加したバッテリー延長時間も表示される。

「今すぐ最適化」機能の概要

 さらにバッテリーエイドに特徴的な機能が、トレンドマイクロのクラウド型モバイルアプリ評価システム「Trend Micro Mobile App Reputation」と連携した「電力浪費アプリスキャン」だ。スマートフォンにインストールしてあるアプリを手動/自動でスキャンし、その電力消費量を「ライト級」「ミドル級」「ベビー級」という3段階で提示。ヘビー級のアプリにはアンインストールボタンも表示される。新しいアプリをインストールする際にスキャンし、電力浪費アプリを警告する機能もある。

 Android向けのメジャーなアプリでは、例えば「Adobe Flash Player」「Twitter」「Evernote」などがミドル級、「Google Skyマップ」はヘビー級との判定だ。

「電力浪費アプリスキャン」機能の概要

 Trend Micro Mobile App Reputationは、アプリマーケットで流通しているアプリについて、「不正な挙動」「プライバシーリスク」「システムリソース消費量」の3要素を自動的に分析・評価するもの。1日1万個以上のアプリを分析可能で、新しく出現したモバイルマルウェアも数時間以内に検知できるとしている。このうち、不正な挙動とプライバシーリスクの2つの要素については、9月に発売したセキュリティアプリ「ウイルスバスター モバイル for Android」に活用されている。今回のバッテリーエイドでは、システムリソース消費量についての分析評価結果が活用されているわけだ。

「Trend Micro Mobile App Reputation」で分析・評価する要素と、それを活用した製品

 バッテリーエイドではこのほか、「スタンバイ Eco」「Wi-Fi Eco」といった機能も搭載する。スタンバイ Ecoでは、端末がスタンバイ状態になった際、3G/4G、Wi-Fi、Bluetoothによるネットワーク通信を節約するもの。15分ごとにメールなどを確認し、常時接続の無駄を省くとしている。Wi-Fi Ecoは、一定時間Wi-Fiに接続していない場合に、自動でWi-Fi通信を節約するもの。15分おきにWi-Fiの状態をチェックし、登録してあるアクセスポイントが使える環境になった時に接続する。

 バッテリーエイドの製品版は、11月より有料で提供を開始する予定だ。なお、対応OSには、タブレット向けのAndroid 3.0が含まれていないが、これは、電話専用モードをバッテリーエイドの主要機能の1つとして位置付けているからだとしている。

「トレンドマイクロ バッテリーエイド」について説明するトレンドマイクロ株式会社の石橋達司氏(コンシューママーケティング部プロダクトマネージャー)




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(永沢 茂)

2012/10/2 16:27