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米MakerBotがデスクトップ3Dスキャナー開発中~未定の価格が注目を集める

 3Dプリンター大手の米MakerBotは8日、同社がデスクトップ3Dスキャナーを開発中であることを明らかにした。仕様、価格、提供時期は未定だ。同社CEOのBre Pettis氏が米国テキサスで開催中のSXSW展示会にてプロトタイプを披露した。

 このデスクトップ3Dスキャナー「MakerBot Digitizer 3D Scanner」を使うと、「最短で3分」という短時間で物体をスキャンし、デジタルファイルとしてコンピューターに取り込むことができるという。スキャンにはレーザーとカメラが使用されている。

 Pettis氏はこのスキャナーについて「MakerBot Digitizer 3D Scannerは、デザイン、CADソフトや3Dモデリングの経験が全くなくても、物理的なオブジェクトを取得し、スキャンし、デジタルファイルを作成できる革新的な新しい方法だ」とその簡単さを強調した。また同社が発売している3Dプリンターを補完する商品であり、3Dオブジェクトファイルを共有できるサイトなどの運営も行っているので、そのエコシステムの一部であることも強調している。

 そしてこのデスクトップ3Dスキャナーで可能なこととして、「MakerBot Digitizer 3D Scannerは、長期保管、プロトタイピング、複製、さらにはプロトタイプ、モデル、部品、工芸品、アート、彫刻、クレイフィギュア、宝石などのデジタル化ができる素晴らしいツールだ。もし壊れた場合にも、スキャンすれば、またもう一度印刷できる」と説明している。

 同社では提供時期や価格などに関する追加的情報を得られるように、関心を持つ人がメールアドレスを事前登録できるようにしている。

 MakerBotは2009年にニューヨークで設立されたデスクトップ3Dプリンター企業で、メーカームーブメントの老舗ベンチャーとしてよく知られている。

 今回発表のスキャナーの価格は未定だが、同社はこれまでにも市場価格に比べて圧倒的安価でシンプルな製品を発表してきただけに、現在数千ドルが相場とも言える3Dスキャナーがどの程度安価でシンプルな操作で利用できるようになるのかが注目されている。この市場ではスキャナーが高価なために、米MicrosoftのKinectを使用して安価に3Dスキャナーを自作しようという試みも現れてきている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)