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医薬品通販サイトにメールで問い合わせてみた……半数近くが返信なし

厚生労働省、覆面調査結果を発表

 厚生労働省は23日、2013年度の「一般用医薬品販売制度定着状況調査」の結果を発表した。

 薬局・薬店が消費者に対してきちんと説明を行っているかどうかなどを、調査員が消費者を装って覆面調査したもの。ソフトブレーン・フィールド株式会社に委託して今年1月に実施した。調査対象は、全国のリアル店舗5090店、インターネットの通販サイト300サイト、置き薬業者50社。

 リアル店舗で第1類医薬品を扱っていた3035店のうち、覆面調査員が第1類医薬品を購入しようとした際に、きちんと「文書を用いた詳細な説明があった」のは67.5%にとどまり、「口頭でのみ説明があった」が28.3%、「文書を渡されたが詳細な説明はなかった」が1.8%だった。また、「説明自体なかった」という店舗も2.5%存在した。薬事法では、第1類医薬品を販売する際、薬剤師が文書で情報を提供する義務が定められている。

 通販サイトに対しては、メールで問い合わせを行ってみる調査などを実施している。これによると、「相談時及び緊急時の連絡先」として記載されているメールアドレス宛に医薬品に関する問い合わせをしたところ、返信があったのは54.7%にとどまった。2010年度調査の74.0%から年々低下している。なお、同調査では、主に個人輸入代行を行っているサイトは対象外。

メールでの問い合わせへの対応状況の推移(「一般用医薬品販売制度定着状況調査結果(概要)」より)

 返信のあった164サイトにおいて、文面などから返信者が薬剤師と判別できたのは2.4%で、大部分の97.6%が不明だったという。このほか、購入履歴の確認があったのは300サイトのうち8.3%との結果も出ている。

 一般用医薬品販売制度定着状況調査は、2009年の薬事法改正に伴い、一般用医薬品の新たな販売制度が創設されたことを受け、実際の販売現場における制度の定着状況などを把握するために実施しているもの。なお、薬事法ではさらに2013年の改正で一般用医薬品のネット販売ルールが整備されたが、今回の調査はその前の販売制度に基づくもの。

(永沢 茂)