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一部の山に関してはGoogle Maps凌駕、山と溪谷社が地図サービス「ヤマタイム」

 株式会社山と溪谷社は15日、PC向けの地図サイト「ヤマタイム」を公開した。登山地図の閲覧や登山行程表の作成、印刷などが行える。一部の山岳エリアに関してはGoogle Mapsを凌駕するオンライン地図サービスだという。無料で利用できるが、登山行程表の保存や地図の印刷には、同社が運営する登山情報サイト「ヤマケイオンライン」の会員登録(無料)が必要。

地図閲覧モード:危険個所、みどころ、コースタイム、山小屋の情報なども見られる

 使用している地図は、国土地理院の数値地図がベース。これに山と溪谷社が発行する登山ガイドブック「ヤマケイアルペンガイド」の登山地図情報や、ヤマケイオンラインの山データベースからの情報を追加しており、危険個所やみどころ、コースタイム、山小屋の情報なども見ることができる。

 登山するコースを選択すると自動で行程表が作成され、地点間のコースタイムや到着時刻などが自動で計算される。休憩を入れたり、登山者の歩行速度を考慮してコースタイム全体を1.5倍にするなどのカスタマイズにも対応する。

計画モード:登山するコースを選択すると、自動的に行程表が作成される

 コースを設定したら、行程表と地図を合わせて印刷可能。用紙サイズは、A4・A3のそれぞれ縦・横に対応している。さらにヤマケイオンラインの登山地図計画書作成サービスとも連携。登山計画書を作成し、登山届けとして提出することも可能だ。

 下山後、作成した行程に対して実際の到着時刻を入力することで山行記録を保存できるほか、標準コースタイムとの比較も行える。

計画したコースと工程表も地図と合わせて印刷される
下山後に実際の到着時刻を入力することで標準コースタイムと比較可能

 ヤマタイムのサービス開始当初は、「八ヶ岳」「槍・穂高連峰」「剱・立山連峰」「白馬・後立山連峰」「南アルプス」「中央アルプス御嶽山・白山」「富士山」の各エリアの地図を提供。さらに8月15日に「尾瀬」「谷川岳・越後・上信越の山」、9月15日に「東北の山」「丹沢」「奥多摩・奥秩父」などを追加するほか、「北海道の山」「九州の山」「中国・四国の山」も順次追加予定だ。

「ヤマタイム」で提供する情報は、山と溪谷社が発行する登山ガイドブック「ヤマケイアルペンガイド」の登山地図情報を活用

【追記 2014/7/17 13:00】
 本誌連載「趣味のインターネットウォッチ」において、ヤマタイムについての詳細記事『山行計画を乗換案内の感覚で――山と溪谷社が「ヤマタイム」公開』を掲載した。開発背景や提供意図などについて開発担当者にも話を聞いているので、ぜひ参照してほしい。

(永沢 茂)