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「Yahoo Directory」が20年の歴史に幕、米Yahoo!の発表方法には批判も

 米Yahoo!は米国時間26日、「Yahoo Directory」を12月31日に閉鎖すると発表した。Yahoo!が事業を選別する中で閉鎖することを新たに決定した3つのサービスに「Yahoo Directory」が含まれていることで明らかになった。

現在の「Yahoo Directory」

 Yahoo Directoryは、インターネット初期には現在のGoogleに匹敵するほど影響力のあったサイトで、Yahoo!をYahoo!たらしめるに至ったサイトだった。それだけに、あまりにもひっそりとした閉鎖発表には批判もある。

 Yahoo!は「経過報告:継続中の製品フォーカスへの取り組み」と題する公式ブログのエントリーの中で、「Yahooは、ユーザーがインターネットの探検を助けてきたウェブサイトのディレクトリとして約20年前に開始された。我々は今でも人々が情熱を傾けている情報とユーザーを結び付けることに取り組んでいるが、当社の事業が発展しており、2014年末(12月31日)で、Yahoo Directoryを引退させることにした」と記している。

 この発表方法について、著名なサーチエンジン評論家で「Search Engine Land」主催者のDanny Sullivan氏は、「私は、企業が製品の閉鎖を祝うことを望まないことは理解できる。しかし、Yahooが文字通りその名前を冠したディレクトリの来たるべき閉鎖発表を行うのに、これよりももっと恥ずかしくない方法が何かほかにあったはずだ」とYahoo!の態度を批判した。

 一方、「Directoryってまだあったの?」「もう過去の遺物だ」といった声も聞かれた。

 Yahoo!は1994年にスタンフォード大学大学院生のJerry Yang氏とDavid Filo氏によって「Jerry and David's guide to the World Wide Web」ページとして始まったものが、その後、会社のYahoo!となった。これはまさしくYahoo Directoryそのものだった。当時はインターネット全体が小さかったこともあり、人力でページを登録していた。1990年代にはYahoo Directoryに登録されることが、ウェブサイト運営者にとって極めて重要だった時期もあるほどだ。

 その後、クローラーによって自動的にページをインデックスし、ユーザーはキーワードで検索する形式のサーチエンジンが登場してくる。ExciteやInfoseekなどがそのはじめで、そして現在のGoogleに至っている。

 Yahoo!が26日に閉鎖を決定したその他のサービスとしては、ユーザーのカメラトロールから動画を自動生成するアプリ「Qwiki」と、教育関係者向けのリソースサイト「Yahoo Education」を挙げている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)