INTERNET Watch 30周年
【1999年のINTERNET Watch】ドコモの携帯電話向け「iモード」と、ブロードバンド回線「ADSL」が始まる
2026年2月24日 06:30
1999年の出来事
1999年(平成11年)は「1999年7の月に人類が滅亡する」とする「ノストラダムスの大予言」の年だった。またIT業界の話題としては、2000年以降の運用を想定せず、年を西暦の下2桁の数字だけで計算していたソフトウェアが、「99」から「00」になることで問題を起こす可能性を指摘する「西暦2000年問題」(2000年問題/Y2K問題)も大きな話題になった。
インターネットが大きく成長する中、NTTドコモが携帯電話向けインターネットサービス「iモード」を開始。また、2000年以降に普及するブロードバンド(高速・広帯域)回線「ADSL」もこの年から立ち上がり、現在も広く使われている高速・常時接続の回線サービスが始まっていく。
新語・流行語大賞となったのは「雑草魂」(読売ジャイアンツ・上原浩治選手)、トップテンには「リベンジ」(西武ライオンズ・松坂大輔選手)と、プロ野球の話題も盛り上がった1年だった。「ブッチホン」「カリスマ」(店員、美容師など)や「ミッチー・サッチー」「だんご三兄弟」なども、この年のトップテン。話題の支配力はまだまだマスメディアが強く、テレビで繰り返されたキーワードが、新語・流行語に強く反映されている。「西暦2000問題」と「iモード」もトップテンに入っている。
2026年2月に30周年を迎えたINTERNET Watchは、1996年2月に有料メールマガジンとして創刊し、1997年1月にウェブサイトを開設した。ここでは2026年の視点から1999年の記事を10本取り上げ、当時を振り返る。
1. NTTドコモ、「iモード」の提供を開始
▶NTTドコモが「iモード」の詳細発表、発表会にはヒロスエも登場
NTTドコモ(当時の正式社名はエヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社)が、同社の携帯電話向けインターネットサービス「iモード」を1月に発表。2月に提供を開始した。発表会にはCMキャラクターに選ばれた広末涼子さんも登壇しており、「携帯からインターネットを使えることに感激しました」「飛行機の空席だけじゃなく、映画館の空席情報もわかるようになればいいですね」といったコメントをしたと記されている。
この後、携帯電話の盛り上がりを受け、Watchシリーズでは1999年10月に「Mobile Central」というサイトを立ち上げ、2000年4月に「ケータイWatch」を創刊する。なお、iモードは2026年3月31日に終了する。
2. 国内初のADSLサービスが長野県で提供開始
▶長野県で国内初の商用ADSLインターネット接続サービス開始
長野県の川中島町有線放送(KUHK)と、同県内のISP「JANISネット」が、9月1日から商用ADSL高速インターネット接続サービスを開始すると発表。これが、ADSL技術を利用した商用の接続サービスとしては国内初となる。ブロードバンド立ち上げ期の歴史は、こちらの特集記事にまとめられている。
3. NTT東西、後の「フレッツ・ISDN」となる常時定額接続サービス提供開始
▶NTTの定額制「IP接続サービス」、月額料金は8,000円 プロバイダー47社順次対応を開始
11月1日、試験サービスとしてISDNによる定額制の「IP接続サービス」を開始した。同サービスは本サービス開始後に「フレッツ・ISDN」と改称し、現在の「フレッツ光」に続く、常時接続サービスの始まりとなる。当初の月額料金は8000円だが、同年6月にはbn報告書が郵政省(当時)により取りまとめられたりしている。
なお、NTTグループは同年7月1日に持株会社制に移行し、NTT東日本、NTT西日本は、このときに誕生している。
4. P-MODEL、MP3音楽配信を開始
▶MP3音楽配信を開始した「P-MODEL」の平沢進氏に聞く
テクノポップバンド・P-MODELが7月6日に、MP3ファイルの販売を開始した。同バンドはこの年に結成20周年を迎えており、この年にレコード会社との契約を打ち切り、インターネット上での音楽配信を始めたかたちだ。INTERNET Watchでは、平沢進氏にインタビューを実施し、MP3形式での配信ならインターネット上の音楽配信が現時点で可能だろうと思ったが、(当時は)メジャーレーベルとの契約があると無理なため、ネットワーク配信を選択した、などのコメントを掲載している。
違法MP3ファイルや音楽データ流通の問題については1999年よりも前からたびたび報じており、この年には坂本龍一氏へのインタビューも行っているほか、海外イベントにおけるパネルディスカッションのレポートなども掲載している。
5. ブラウザー戦争、終了!?
Microsoft「Internet Explorer」(IE)とNetscapeの「Netscape Navigator」(NN)が中心となったシェア争い「ブラウザー戦争」に終了ムードが漂った。11月のこの記事では、IEが64%、NNは36%のシェアとなり、調査開始時点では2%対71%だった両者のシェア比が逆転。その要因は、企業の決めたブラウザーを社員が使わなくてはならないとする「ブラウザーポリシー」にあったとしている。この後、現在トップシェアのウェブブラウザーである「Google Chrome」が登場するのは2008年9月のこととなる。
6. インターネット広告推進協議会(現JIAA)発起人会発足
インターネット広告市場の成長を受け、3月に「インターネット広告推進協議会」発起人会が発足、5月に正式発足した。同協議会は、2015年に改称し、現在、一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)となっている。
7. 「IE5」提供開始、売りはストリーミング強化
▶「Internet Explorer 5日本語版」公開――ストリーミングメディア対応を強化
3月18日、Microsoftのウェブブラウザーの最新版「Internet Explorer 5」(IE5)の日本語版がリリース。新バージョンの最大のポイントはストリーミングコンテンツ対応とされ、各社の音声コンテンツが「ラジオツールバー」を利用して再生できた。
8. Akamaiがサービスを開始
1998年に創設されたAkamaiがVCなどから出資を受け、順調な滑り出しであることを報じている。同社は2月に商用サービスを開始しており、INTERNET Watchでは、1999年中は同社のサービスを「コンテンツ配信技術」と呼んでいる。本誌では初めて「CDN」(Content Delivery Network)というキーワードが登場するのは、2000年8月にCiscoがCDNを発表し、普及団体を設立したというニュースとなる。
9.警視庁、「サイバーパトロール」を開始
▶ネット上の違法情報を24時間態勢で監視 警視庁、“サイバーパトロール”開始
5月に、警視庁は「ハイテク犯罪対策センター」を開設し、インターネット上で「サイバーパトロール」を開始した。当時の監視対象は、「インターネット上のわいせつ画像や薬物売買などの違法情報」であるとしている。なお、同じく5月には愛知県警が違法MP3に関して全国初の摘発を行っている。
10. IIJがIPv6接続の実験サービス
インターネットイニシアティブ(IIJ)が、商用インターネットサービスとしては日本初だとする実験サービスを開始した。現在INTERNET Watchのバックナンバーで確認できるIPv6関連記事は、1997年6月のNetWorld+Interop 97 Tokyoで行われたIPv6デモの記事が最も古い。その後、1999年7月には、IPv6フォーラム設立を報じている。

