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会計ソフトのクラウド率はまだ4.8%、セキュリティ面の信頼性向上が課題

 株式会社シード・プランニングは10日、“クラウド型会計ソフト”の利用動向調査の結果を発表した。

 国内の事業所に勤務する2万814人を対象に、11月にウェブアンケートで実施したもの。これによると、所属する事業所における会計ソフトの利用率は、インストール型のパッケージソフトが28.8%、ウェブブラウザーで利用するクラウド型が1.4%で、合わせて3割ほどだった。残りは、Excelなどの表計算ソフトなどで代用が23.5%、いずれも使っていないが46.2%。

 会計ソフト利用事業所について見ると、種類別の内訳はパッケージ型が95.2%を占めており、クラウド型は4.8%にとどまる。

 クラウド型を利用している事業所でメインで利用しているソフトは、「クラウド会計ソフト freee」が41.3%で最多だった。以下、「ネットde会計」が12.0%、「やよいの青色申告オンライン」が11.0%、「MFクラウド会計・確定申告」が9.7%、「会計ワークス」が9.3%、「ハイブリッド会計 Crew」が8.0%、「やよいの白色申告オンライン」が5.7%、その他が3.0%。

 クラウド型会計ソフトを利用する際に重視する点(複数回答)で最も多く挙げられたのは「簡単」(65.7%)で、以下、「動作が早い・安定している」(51.7%)、「価格が安い」(37.3%)、「データの保全性」(36.7%)などが続く。

 一方、クラウド型会計ソフトに対する要望(複数回答)としては、「セキュリティに関する情報を充実してほしい」(31.0%)、「ネットがつながらない・遅いところでもスムーズに利用できるようにして欲しい」(27.0%)、「データを活用したアドバイスやコンサルサービスを利用したい」(27.0%)などが多く挙げられた。

 シード・プランニングによると、「企業における基幹業務の1つである会計業務管理ソフトにおいては、秘匿性の高い重要な情報を扱うことからセキュリティ上の課題が障壁となり、クラウド化が容易でないとされてきたが、ここにきて、クラウド技術の向上でセキュリティ面での不安も解消し、クラウド型会計ソフトの普及が世界的な潮流となりつつある」とし、国内でも個人事業者・中小企業を中心に普及しつつあるという。

 ただし、今回の調査の結果から、「クラウド型会計ソフトが今後普及拡大をするためには、ユーザーにとり現状最も魅力的とされている、『簡単さ』を訴求すると同時に、ユーザー側にクラウド型会計ソフトのセキュリティ対策への取り組みとその安全性の高さに対する理解をいかに深めていくかが重要となることが想定される」とも述べている。

(永沢 茂)