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普通のサイトを見ていただけなのに「ウイルス感染」の表示が閉じられない! 「サポート詐欺」の画面を閉じる方法

突然親から「ネットを使っていたら変な画面が出て消えないんだけど」と電話がかかってきたら…?

サポート詐欺で表示される画面の例(IPA「サポート詐欺の偽セキュリティ警告はどんなときに出るのか?」より)

 先日、筆者のもとに親から「インターネットを使っていたら、変な画面が出て消えないんだけど、どうしたらいい?」と電話がかかってきた。怪しいサイトを開いていたわけではなく、普通のニュースサイトを見ていたら突然、全画面に警告が出たとのことだ。

 詳しく話を聞いていくと、出ていた画面は偽のセキュリティ警告を表示する、典型的な「サポート詐欺」のようだった。親もエラーやPCの暴走によるものではなく、一種のフェイクだと察してはいたものの、全画面に表示されていたため消し方が分からず困っていたようだ。電話越しに画面の閉じ方を伝えたところ無事に解決できたが、対処法を知らなければ焦ってしまうのも無理はないと感じた。

 そこで本記事では、サポート詐欺の画面の特徴と、表示されたときの適切な対処法、および、なぜ普通のサイトを見ているだけで表示されてしまうのかという仕組みをまとめて解説する。自分自身のトラブル解決はもちろん、いざというときに家族に共有するマニュアルとしても役立ててほしい。

画面に表示されている内容はだますための演出! まずは疑おう

 まず、突然画面に表示される「ウイルスに感染しています」「ファイルが破損しています」などの内容は必ず疑うようにしよう。自分のPCにインストールしているセキュリティソフトがウイルスを検知した画面を見たことがなく、正規の画面か偽の画面かを判断できない、と思う人も多いだろうが、あらためてインストールしているセキュリティソフトを起動し、検知内容を確認することで、正規のウイルス検知であるかどうかは確認できる。

 そもそも、典型的なサポート詐欺による「変な画面」は、次々と画面が開いたり、けたたましい音を鳴らして不安感を高めたり、ほかの操作を妨害してセキュリティソフトの起動などができないようにしたり、いきなり「サポートの電話番号」を表示して電話をかけさせたりするのが定番だ。これらの特徴が見られる場合は、サポート詐欺であると断定していい。しかも、ウェブブラウザーを操作中に(どこかのウェブサイトを見ているときに)表示されたなら、これはもう間違いなくサポート詐欺だと判断していい。

 このような画面が表示されたとき、まず心得るべきは、 「電話番号が表示されても絶対に電話しないこと」 だ。サポート詐欺は、困ったターゲットに電話をかけさせ、そこでサポート対応と称してPCを遠隔操作するソフトをインストールさせて悪用したり、プリペイドカードを買わせて高額な料金を支払わせたりするのが典型的な手口で、電話さえかけなければ、ただ迷惑な画面が表示されるだけ。これを閉じさえすれば問題を解決できる。

サポート詐欺の画面を安全に閉じる方法

 サポート詐欺の画面は全画面に表示されることが多く、詐欺だとわかっていたとしても閉じられずに困ることも多い。安全に閉じる方法はいくつかあるが、主な方法を3つ紹介する。作業への影響が少なく、すぐに元の状態へ復帰できる手順から順に並べているので、上から順番に試してほしい。

1. [Esc]キーを長押ししてタブを閉じる

 キーボードの左上にある[Esc]キーを長押しすることで、サポート詐欺の画面が全画面に表示されている状態を強制的に解除できる。その後、タブにある[×]ボタンや、ウェブブラウザー右上の[×]ボタンをクリックしてページを閉じる。

2. 「タスクマネージャー」からウェブブラウザーを強制終了する

 [Esc]キー長押しで消えない場合は、キーボードの[Ctrl]+[Shift]+[Esc]の3つのキーを同時に押して「タスクマネージャー」を起動しよう([Ctrl]+[Alt]+[Delete]から「タスクマネージャー」を選んでもいい)。

 左側のサイドバーから[プロセス]を選択し、上部の「アプリ」に表示されている使用中のウェブブラウザー(「Google Chrome」や「Microsoft Edge」など)の名前を右クリックし、表示されるメニューから[タスクの終了]を選択する。これでウェブブラウザーが強制終了され、サポート詐欺の画面を閉じられる。

使用中のウェブブラウザーの名前を右クリックし、表示されるメニューから[タスクの終了]を選択する

3. PCを再起動する

 マウスの操作すらできなくなってしまった場合には、PCを再起動しよう。[Ctrl]+[Alt]+[Delete]を同時に押し、表示された画面の右下にある電源アイコンから[再起動]を選択する。その際、保存していないデータは消えてしまうため注意が必要だ。

[Ctrl]+[Alt]+[Delete]を同時に押すと表示される画面。右下の電源アイコンから[再起動]を選択する

 なお、キーボード操作すら一切受け付けず、画面が完全にフリーズしてしまった場合に限り、最後の手段としてPC本体の電源ボタンを長押しして強制終了させる。ただし、PC本体に負荷がかかるため、どうしても手も足も出ない状況に限って行うようにしよう。

ウェブブラウザーを開き直すときにも注意が必要

 ウェブブラウザーを強制終了させたあとに再び起動すると、「ページを復元しますか?」といった確認ダイアログが表示されることがある。ここで[復元]を押してしまうと、先ほど消したサポート詐欺の画面が再び読み込まれてしまうため、必ず[キャンセル]や[×]を押して復元せずに閉じるようにしよう。

Google Chromeを強制終了させた際にはこのような画面が表示される。[復元]を選択すると閉じた画面が再度表示されてしまうため、必ず[キャンセル]や[×]を押す

警告画面のメッセージを無視して問題ない理由

 現在広く使われている「Google Chrome」や「Microsoft Edge」などのウェブブラウザーでは、ウェブページがPCのシステムや保存ファイルに直接アクセスできないよう保護する「サンドボックス」と呼ばれる仕組みが採用されている。

 そのため、広告などのウェブページがPC内部を勝手にスキャンしてウイルスを検出することは、仕組み上起こり得ない。画面に「ウイルスに感染しています」と表示されていたとしても、単にそう見えるように作られたウェブページ上の演出にすぎない。もちろん、この画面が開いただけでPCがウイルスに感染することもない。

 もし、どうしても不安な場合は、Windows標準の「Microsoft Defender」や、自身で導入しているセキュリティソフトを起動してスキャンしてみるといいだろう。

普通のサイトでサポート詐欺が表示される理由

 「怪しいサイトを開いているわけではないのに、なぜサポート詐欺の画面が表示されるの?」と、疑問に思う人も多いと思う。最近のサポート詐欺は、ユーザーの興味やウェブサイトの内容に合わせた広告を表示する「アドネットワーク」を通じて表示されるケースが多い。

 記事の途中にある「次へ」「続きを読む」「ダウンロード」といった、本物のボタンに似せた偽の広告を配置してクリックを誘導したり、悪質なコードを使って勝手に詐欺ページへ転送させたりしているのだ。

 ウェブサイトには「JavaScript」と呼ばれる言語などを使った、一種の「演出」のための機能があり、表示中のウェブサイトから新しいウィンドウを表示させたり、自動的に全画面表示したり、文字を点滅させたり、音を鳴らしたりできる。昨今の一般的なウェブサイトで見ることはまれだが(派手な演出は迷惑がられるため)、これらの機能を悪用しているのが、サポート詐欺の画面だ。

クリックするとサポート詐欺の画面が表示される広告の例(IPA「サポート詐欺の偽セキュリティ警告はどんなときに出るのか?」より)

 広告を配信するアドネットワーク側でも事前の審査や遮断を行っているが、攻撃側がこれをすり抜けて広告を配信させてしまうケースがある。また、本誌を含むImpress Watchシリーズをはじめ、多くのウェブサイトでも、そうした不審な広告をブロックするフィルタリングなどの対策を講じているが、攻撃側とのいたちごっこが続いているのが現状だ。

IPAではサポート詐欺を閉じる練習コンテンツを公開中

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)では、本物そっくりの偽警告画面を出して閉じ方を安全に練習できる「サポート詐欺体験サイト」を公開している。

 画面の閉じ方を安全に実践できるため、一度試しておくだけで、サポート詐欺に遭遇した際も冷静に対処できるようになるだろう。また、家族と事前に試しておくことで、被害を未然に防ぐことにもつながる。