トピック

「空飛ぶクルマ」を疑似体験できるCEATEC TEブースの舞台裏

乗れる機体を創り出すプロジェクトを支えた2人のエンジニアに聞く〔PR〕

写真1:「空飛ぶクルマ」を疑似体験できるタイコエレクトロニクスジャパンのCEATEC 2019展示ブースの外観

「Society 5.0(超スマート社会)」の創造に向けた総合展に姿を変えた「CEATEC」が2019年も幕張メッセで10月15日から18日にかけて開催されている。CEATECの名物展示の1つに、コネクタやセンサー、リレーなど電子部品を扱うタイコ エレクトロニクスジャパンの体感型アトラクションがある。過去にもリニアモーターカー試乗やハンググライダーの疑似体験、恐竜体験などのアトラクションが実施された。2019年は、経済産業省も事業化に注力する「空飛ぶクルマ」に注目。エアモビリティを実現するエンジニアリングをテーマにしたアトラクション製作の舞台裏について、プロジェクトの中心にいる2人のエンジニアに聞いた。

 「Society 5.0(超スマート社会)」の実現に向けた総合展である「CEATEC 2019」が幕張メッセで10月15日から18日にかけて開催されている。2019年のCEATEC開催テーマは「つながる社会、共創する未来」──。あらゆる産業・業種から人と技術・情報が一堂に会する場の提供を目指し「Society 5.0 Town」や「SMARTX」「Co-Creation Park」など新たなゾーン構成も登場した。

 CEATECに毎年参加し、多くの来場者を集めるのが、コネクティビティとセンサー分野で世界をリードするTE Connectivityの日本法人であるタイコ エレクトロニクス ジャパン(以下、TE)だ。体験型アトラクションを展示ブースの中心に据え、来場者の人気を集めている。今年で20年連続の出展になるという。

2019年のメインステージは「空飛ぶクルマ・rFlight」のVR飛行体験ツアー

 TEはこれまで、CEATECでさまざまなアトラクションを展開してきた。来場者が運転できるリニアモーターカー「TEリニア」(2008年、2009年)や、恐竜(2010年)、人工衛星回収装置(2012年)、月面飛行体験(2013年)、ハンググライダーでの飛行(2016年)、フォーミュラE レース体験(2017年)、TEシティ(2018年)などだ。

 そして2019年は、「Engineering the Journey to Air Mobility~エアモビリティを実現するエンジニアリング」を展示テーマとし、「空飛ぶクルマ」の疑似体験を実施している(写真2)。空飛ぶクルマは、経済産業省が2023年の事業化を目指すなど、開発競争が本格し始めるなど、移動や物流に活用できる未来の移動ツールである。

写真2:「Engineering the Journey to Air Mobility」がテーマのTEブースメインステージ。右奥が「空飛ぶクルマ」の体験機、左のスクリーンは体験者がVR(仮想現実)で見ているのと同じ風景

 今回の展示にはモデルがある。米ボーイングが世界規模で主催する技術開発コンテスト「GoFly」に出場しているrFlightチームの機体だ。同コンテストは、誰もが自由に使える1人乗り飛行装置の開発・制作を競うもの。その要件は、垂直離着陸(VTOL)ができ、給油や再充電なしに 20 マイル(約32 km)を、安全かつ音も静かに飛行できることである。

 rFlightは、GoFlyに挑んでいるチームの1つで、世界50カ国以上、60人を超えるエンジニアやデザイナーがバーチャル上で集い設計・開発を進めるという新しい開発スタイルを持つ。TE Connectivityは、rFlightチームを部品提供はもとより、設計を含めて全面的に支援している。rFlightチームはGoFlyの決勝進出候補に残っており、今後の行方が気になるところだ。

 rFlightが開発中の機体は、デルタ翼を持ち、その上に人がうつ伏せになって飛行する形状で、後部に内燃機関で動作する同軸プロペラを備えている。垂直に離陸した後、水平飛行では100ノット(時速185キロメートル) を超える速度で飛行できるという(図1)。

図1:米ボーイングの技術開発コンテスト「GoFly」に挑む「rFlight」の強み

 この機体をモデルに空飛ぶクルマのフライトを疑似体験できるようにしたのが、CEATEC 2019に展示されているTEのアトラクションだ。会場では、VR(仮想現実)ゴーグルを装着して実物大の模型に乗り込むと、垂直に離陸してから水平飛行に移る。その後、米ニューヨークの街中を飛び、TE Connectivityのオフィスビルに着陸するまでが疑似体験できる。