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AIガジェットがあふれ、淘汰される時代に、AIスマートノートのiFLYTEK「AINOTE 2」はなぜ生き残れているのか?
- 提供:
- iFLYTEK JAPAN AI SOLUTIONS株式会社
2026年7月22日 06:00
AIを冠したガジェットには、警戒から入ることにしている。というのも、この2年ほどで音声で操る端末や身につけるAIデバイスがいくつも現れ、その多くが役割を見つけられないまま静かに退場していったからだ。
少しばかりデモに驚きがあったとしても、その機能が鮮やかに問題を解決してくれそうでも、毎日の仕事の中で出番を見つけられなければ、いずれは使うことはなくなる。
そうした中で、iFLYTEK(アイフライテック)の「AINOTE」シリーズは着実に実力を高めてきた。彼らが「AIスマートノート」と呼ぶカテゴリーの製品を日本で本格展開し始め、すでに1年余りになるが、こうした淘汰の激しい時期をくぐり抜けて退場するどころか、つい先日の6月23日にも大型のシステムアップデートが配信されるなど、その魅力をさらに高め続けている。
手元の大画面モデル「AINOTE 2」にOTAで降ってきたアップデートには、文字起こしの対応言語の拡充や、ノートの内容についてAIへ質問できる新機能が含まれていた。これほど大きなアップデートが、発売1年後にも降ってくる端末は、この分野ではまだ多くない。
なぜこの製品が生き残り、ユーザーに支持されているのか。数週間カバンに入れて過ごすうちに、答えの輪郭が見えてきた。
書きながら録り、文字になる
AINOTE 2の最も重要な機能は、手書きと録音を同時に行い、さらに録音内容が文字起こしされる仕組みだ。本体の縁に並んだ4つのマイクが、対面の会話やオンライン会議の音を拾い、録音と並行して文字起こしが走り、次々にメモの中に挿入されていく。
並行して手書きメモを添えると、そのメモは書いたその瞬間の音声と結びついて、あとから発言内容と突合することが可能だ。印象的なフレーズを書き留めておけば、その筆致に触れるだけで該当の音声へ戻れる。
つまりメモは、まさにメモ。清書するためではなく、記憶をたぐるためのタグになる。
「スマートペンモード」も印象的だ。ノートの行頭に○を書けばToDoへ、△なら見出しへ、☆なら重要事項へと自動で振り分けられる。整理という工程を、手書きシンボルで示すことで簡単に行える。
もちろん、多くのAIレコーダーと同じように、録音を終えれば、要約や議事録の生成へ進める。AIモデルは無料プランで使えるGPT-5.2のほか、後述する「VIPサブスクリプション」に登録することでGPT-5.5かGemini 3.5 Flashも選ぶことができる。今後は、AIモデルの選択肢も増える可能性があるが、いずれにしろ、会議を終えると論点を並べた下書きがさっと出てくるのは気持ちいい。
6月のアップデートで加わった「ノート問答」では、AIアシスタント「AIAide」に、開いているノートの中身について質問が可能になった。「この会議の中で未解決だったテーマは何?」「予算の数字について、どのような会話がなされたかを振り返って」などと尋ねることもできる。オンライン文字起こしの対応言語は18言語、翻訳可能言語は14言語にまで広がっている。
とはいえ、リアルタイムで画面に流れていく文字起こしを鵜呑みにはできない。固有名詞や専門用語はよく間違えるし、話者が重なれば乱れる。これはこの端末に限らず、現在の音声認識の多くが抱える課題だ。
しかし、そうしたちょっとした誤りや曖昧さは、AI活用の中では大きな問題とはならない。少なくとも私の取材メモや会議の記録という用途では、録音後に整えられるテキストと要約まで含めて、実務の水準に十分届いている。
実は“音声認識活用”から始まったiFLYTEK
使い始めて気づくのは、この製品の設計が“録音と文字認識”を中心に作られていることだ。それもそのはずで、iFLYTEK(アイフライテック)は1999年に音声認識や音声AIを中核技術として設立され、製品展開をグローバルで進めてきたメーカーだ。
AINOTE 2の見た目は電子ペーパーを採用したタブレット端末で、手書きメモやテキスト情報の処理を中心としたデバイスだと直感する人が多いだろう。しかし、実際は、音声の記録とAIによる高度な活用をコアとし、電子ペーパーのUIと結びつけた製品、と捉えるのが、より正確だ。
起動して最初に表示されるのは、アプリが並んだ一般的なホーム画面ではなく、メモ(手書きメモや録音した音声がまとめられたもの)のリストだ。つまり、この製品は「まず機能を選んで使うもの」ではなく、あくまでもメモの道具、それもAIにより大幅に機能が拡張された、録音と手書きメモを有機的に関連づけ、仕事を強力に加速する「新しいメモの道具」となっている。
そう、まるでボイスレコーダーのようなユーザーシナリオなのだ。しかし、電子ペーパーを用いる手書きメモを行うハードウェア部分にも抜かりはない。
まるで「下敷き」のような佇まいと柔らかな書き心地
10.65型の画面に対し、厚さはわずか4.2mmで重さも295g。実際にはノートに使う下敷き(最近はあまり使う人はいないかもしれないが)より数倍厚いはずだが、手に取った印象は、あの懐かしい下敷きに近い。
もっとも重くなる組み合わせであり、専用のキーボード付きケースとペンを加えても700gを切るから、iPadを一式抱えるより明らかにカバンが軽い。もちろん、本体だけなら毎日入れっぱなしにしていても気にならない。
ペンはワコムと共同開発されたものでバッテリーレスのもの。電池切れがないのは安心だ。本体側からの電磁誘導で電力を受け取るため充電が要らず、軽く、握りに余計な重心が乗らない。後ろを返せば消しゴムになる。表面のかすかなざらつきと電子ペーパー特有のわずかな沈みが合わさって、ガラスの上を滑るだけの感触とは違い、紙に鉛筆を当てたとき、あるいは細いサインペンでの書き心地に近い。
電子ペーパーならではの落ち着いた画面はフロントライトを持たないため、暗い場所では視認性が低い。しかし、一方でバッテリーの残量が気にならないのは大きな利点だ。
不満もある。ペンは本体側面にマグネットで貼り付く仕様だが、カバンの中でほかの荷物と触れて外れやすいのだ。しかし、専用ケースにはペンをホールドする機能があるため、ケースを同時に購入することを勧める。ケースの質感や色も、文房具としての佇まいがある落ち着いたものだ。
実はAndroidアプリも少しだけ動く
あくまでもメモツールとして特化した設計になっている一方、Android 14を積み、Google Playにも対応するタブレットとしても使用可能だ。GmailもKindleもスケジュール帳も導入でき、2月のアップデートでGoogleカレンダーやOutlookとの双方向同期も加わった。
レビューキットに同梱されていたキーボード付きケースは、しっかりとしたストロークと適切なタッチで使いやすい。英語配列が問題ないなら、すぐに慣れるだろう。ややキーピッチは狭いものの、フルピッチのキーボードと持ち替えても違和感は覚えない。
目に優しいモノクロ画面のまま、メールの返信や短い原稿の下書きが打てる。実際の動作はさほど速いわけではなく、ゆったりとしたものだ。しかしメール処理や電子書籍の閲覧ぐらいなら、特に問題はない。PCの代役は務まらないが、日々のやりとりを軽く済ませるには足りる。
なお、ノートや録音はコンパニオンアプリ「AINOTE Mobile」を介してスマートフォンやPCとも同期される。
ただし、Google Play対応とはいえ、すべてのアプリが一般的なタブレットと同じ感覚で使えるわけではない。何しろ電子ペーパーだ。CPUも強力ではない。主目的がメモ帳である以上、アプリを自由に使いこなすためのユーザーインターフェイスにもなっていない。
またスピーカーと3.5mmイヤホンジャックは省かれており、録音をその場で聞き返すにはBluetoothかUSB Type-C経由のイヤホンが必要になる。4.2mmの薄さは、こうした引き算の結果でもあるが、むしろその潔さこそが、この製品の美点だ。
買い切り+VIPサブスクプラン、二段階の価格体系
直販価格はおよそ9万8800円。文字起こしもAI要約も、基本は追加費用なしで使い続けられる。使うたびに課金メーターが回る道具のように、記録する習慣へ水を差すことがない。この潔さは、発売当初から変わらない美点だ。
一方で、より高度なクラウドAI連携などを担う有料の「VIPサブスクリプション」も、今年2月に導入されている。
有料化というとネガティブな話に聞こえるかもしれないが、録音、手書き、文字起こし、要約という日常的に使う機能は買い切りで使い続けることができる。VIPという名前が示すとおり、プラスアルファの機能をAIに求めるときの選択肢に過ぎない。
電子ペーパーを用いる端末は、他社の製品も含めてさまざまなモデルがある。しかし、AINOTE 2は「音声録音と文字起こし」を中心とするメモ機能に特化させており、この得意な機能において競合が実はいない。iFLYTEKには8.2型で7万円台の「AINOTE Air 2」もあり、そちらはフロントライトとスピーカーを備える。画面の大きさより携行性と価格を取るなら、この弟分が答えになるという人もいるかもしれない。
使い続けたい道具
しばらく使い続けてきて感じているのは、この端末は“AIガジェット”という枠に収まる製品ではないということだ。もっと普遍的に手放せない道具である。
その姿やメモを中心とした機能性にはエンタメ要素はなく、素っ気ないと思うかもしれない。画面の中には、常に自分の書いたノートがあり、そこに文字起こしと要約が並ぶだけ。しかし、そんな道具としての潔さが、AINOTE 2を使い続けたい飽きのこない道具にしている。
9万8800円は、メモに特化した製品として安価とは言い難い。しかし、会議や取材で書いて録り、その記録を毎日束ねて次の仕事へ渡す人間にとって、この製品は静かに大きな価値を運んでくれるはずだ。



















