テレワーク、空いた時間でなにしてる?
10年でロードバイクの常識が激変!! 新しいエアロロードの“バラ完”でハマったセッティングの罠と新収納術【ぼっち・ざ・ろーど!その16】
2026年9月18日 12:12
前回の記事でも写真が出ていたのでお気付きの方もいるかもしれないが、6月の富士ヒル(Mt.富士ヒルクライム)が終えたところで、新しいロードバイクに乗り換えた。
なにしろ今まで乗ってきたORBEA AVANTは2014年モデル。まだまだ走れるが、筆者も富士ヒルなんぞに出るようになって、そろそろ今どきのロードバイクに乗りたいと思っていた。
だが、筆者が始めたころと比べると、最近はロードバイクも価格がかなり上がってしまっていて、なかなか新車では買うのもハードルが高い。そんなわけで、自称“オクり人”の筆者は、日々ネットオークションをチェックし、ついにフレームだけではあるが、格安で入手することに成功したのである。
12年の間で激変したロードバイクの常識
今まで乗ってきたORBEA AVANTが登場した頃から比べると、ロードバイクの常識は大きく変化した。詳しい人には今さらの話だろうが少し振り返ってみたい。
ディスクブレーキが主流に
まずはディスクブレーキの台頭だ。
筆者のORBEA AVANTはディスクブレーキモデルなのだが、実は今の規格とは所々で異なる。
このバイクが登場した2014年当時は、まだプロレースの世界でディスクブレーキが認められておらず、そのためディスクブレーキのロードバイクはかなりレアで、MTBやクロスバイク用のディスクブレーキパーツをそのまま移植したような仕様だった。
その後、2018年にプロレースでディスクブレーキが導入されると、各社からディスクロードが一気に登場する。そしてこのタイミングで、ロードバイク向けのディスクブレーキの“仕様”みたいなものが確立された。
たとえばブレーキキャリパーは、筆者のORBEA AVANTでは、取り付け形状がポストマウントと呼ばれるMTBで使われているタイプだが、今のディスクロードの主流はフラットマウントと呼ばれる形状になっている。新しく入手したフレームもフラットマウント用になっているので、ORBEA AVANTのブレーキを移植することはできない。
車軸がクイックリリースからスルーアクスルへ
また、ホイールを固定する軸も、ORBEA AVANTのころはクイックリリースと呼ばれる直径9mmの軸のもので、幅がフロント100mm、リア135mm(これは古いMTBで主に使われていた規格)が採用されていたが、現在のディスクロードではスルーアクスルと呼ばれる太い軸のものに変わっている。当初は太さが15mmなどもあったようだが、今のディスクロードだと直径12mmが主流。幅はフロント100mm、リア142mmとなっている。
これも、フレーム、ホイールともに規格をそろえる必要がある。アダプターを変えることでクイックリリースとスルーアクスルの両方に対応するホイールもあるが、今となってはこれも希少だ。
タイヤは細いほうが速い、という常識の崩壊
面白いことに、ディスクブレーキ化はさらにタイヤのワイド化という流れも生んだ。
これは従来のホイールリムを挟むブレーキだと、構造上太いタイヤやリムが取り付けられなかったところが、ディスクブレーキでその制限がなくなった事に起因する。
以前だと23c(タイヤ幅23mm)ぐらいの細いタイヤに空気をパンパンに入れるのが主流。タイヤは細くて空気圧高めのほうが転がり抵抗が少なくて有利、と信じられていた。
ところがディスクブレーキ化でリムやタイヤの太さの自由度が増すと、「タイヤ細いほど速い説」が崩壊。タイヤを太くして空気圧を下げた方が、荒れた路面で跳ねないので転がり抵抗的にも優位、という話が出てきた。
これについては現在進行形でさらに変わってきているところで、ホイールのリム幅もどんどん太くなり、タイヤもそれに合わせて拡大。最新のホイールだと32cぐらいのタイヤが標準になっているようだ。昔のロードバイク乗りにはにわかに信じられないぐらいだろう。
変速は電動に
最近は電動シフト(電動コンポ)も普及した。以前であればシフトレバーを操作することでシフトケーブルが引っ張られ、ディレイラーが動いて変速していたが、今では、ワイヤレスのシフトレバーを操作すれば、電動でディレイラーが動いて変速する。おかげで変速も速くなったし、シフトケーブルの伸びやほつれなどが原因で「うまく変速できない」なんていうこととも無縁になる。
ケーブル類はフル内装に
これは最近の内装フレームとの関係も大きいだろう。以前であればハンドルまわりにはブレーキやシフト(変速)のケーブルが出ているのが当たり前だったが、最近は空力性能向上のために、それをハンドルやフレームの中にしまってしまうという流れが出てきた。
このときにも、ワイヤレスの電動シフトであれば、通すのはブレーキホースだけだ。そのブレーキも油圧ホースなら多少曲げがきつくても問題無い。ケーブルだと強い曲げはフリクションになって、ブレーキの引きの重さに繋がるが、油圧であればその問題もない。狭いフレームの中を通すのには適していると言えるだろう。
レーザー墨出し器でポジションを完全コピー、なのになぜか走りにくい
さて件の筆者のニューバイクだが、ニューと言いつつ発売されたのは2023年ごろ。なので最新というほどではないが、それでも空力特性を考慮したエアロロードで、フル内装にも対応。電動シフトにも対応するし、ブレーキはフラットマウントで12mmのスルーアクスルと、今どきのディスクロードとして十分通用する。
逆に言えばORBEA AVANTから流用できるパーツは多くないので、フレーム以外のパーツも、オークションやセールなどで見つけては買い集めてきた。
そして部品が全部そろったところで、DIYでバラ完(バラバラの部品から完成車を組み立てること)。苦労したのはハンドル内の内装化だが、ワイヤレスの電動コンポなので、大変なのはブレーキの油圧ホースだけ。これが機械式でシフトケーブルも通さないとならなかったら、フル内装が大嫌いになっていたことだろう。
むしろ大変なのは組み上げてからのフィッティングだ。
まずは、以前テレワークグッズ・ミニレビューで紹介したボッシュのレーザー墨出し器を使って、ボトムブラケット(クランクの軸)を基準にハンドルの高さや前後位置、サドルの高さや前後位置を、今までのORBEAの寸法とほぼ同じになるようにセッティングした。
これでバッチリ、かと思ったのだが、乗ってみるとなにかが違う。なぜか全然走りにくい。
筆者は自転車の評論家でもないし、自分の自転車以外はほとんど知らない素人なので、全然見当違いかもしれないが、それを承知で言うと、フレームが変わったことで、走らせ方が変わった気がする。
一番感じるのは、速く走れるバイクになったということ。今回のフレームは、いわゆるエアロロードといわれるカテゴリーで、空力性能を改善することでトップスピードが出やすいロードバイク、という位置づけになる。
といっても、レース向けのガチガチなフレームといったことはなくて、このロードバイクのレビュー記事を読むと、とても柔らかくて乗り心地のいいフレームとの評価。
ただ、これまで乗ってきたORBEA AVANTは、長距離を快適に走るためのエンデュランスロードと呼ばれるカテゴリーで、それと比べるとやっぱり硬く感じるのだ。
そして、新しいバイクは、グイグイとどこまでも加速していく。自転車に「もっと速く走れるぞ、もっと踏め、もっと速く走らせろ!!」と発破をかけられているような、そんな気分になる。
実際にスピードメーターを見ても今までよりトップスピードの伸びがいい。だが、同時に体力をえげつなく削られていく気がする。
昔どこかで、クロモリフレームはマイペースで走らせてくれるが、カーボンフレームは速く走らされている気がする、といった話を聞いたことがあるが、今ならその意味がよく分かる。
そんなわけで、そこからさらにセッティングを変更。先代のロードバイクの寸法にこだわらず、このバイクで走りやすいと感じるように調整していく。少し走っては調整、少し走っては調整を繰り返すが、どうしてもハンドルが遠く感じるので、ステムを10mm短いものに変更して、だいぶ良い感じのポジションにすることができた。
エアロ的にイケてないツールボトルをなんとかしたいッッ
というわけで久しぶりの新しいフレーム、しかも今どきのエアロロードを楽しんでいるところなのだが、今回の本題はその新しいエアロロードに付けるバッグの話だ。
タイトルのとおり、筆者はいつもぼっちで走っているので、出先でなにかあっても自力でなんとかしなければならない。そのため、替えのチューブや工具、補給食までなにかと持っていくものが多い。
これまでは、サドルバッグ(サドルの後ろに付けるもの)、トップチューブバッグ(ハンドルステムのすぐ後ろに付けるもの)、そして2つあるボトルケージのうち、シートチューブ側(後ろ側)のボトルケージにツールボトル(ボトル型のツールケース)を入れる、という運用をしてきた。
だが、ニューバイクはシートポストが細長いエアロ形状になったことで、今までのサドルバッグが取り付けられなくなった。装着できそうなものもあるが、せっかくのエアロシートポストだし、とりあえず無しで行ってみようかと思っている。
トップチューブバッグはこれまでのものを使うことに。deuter(ドイター)のエナジーバッグで、容量は小さいがなにより幅が40mmと薄いのが気に入っている。筆者は結構内股気味で漕ぐらしく、一般的なトップチューブバッグだと膝がこすれて気になる。また、正面から見たときにステムの後方に隠れる形になるので、空力的にも良さそうだ。
そしてドリンクボトルとツールボトル。今まで気にしなかったが、せっかくならこれらも空力を考えたものにしたい気がしてきた。
そこでまずはエアロ形状のドリンクボトルを購入。それがエリートのクロノCXというボトル。2025年に新型が登場していて、筆者が買ったのはその旧モデル。ただ、保冷機能などはない上に、口が小さく氷も入れられないので、夏は使う気になれなかった。涼しくなったら本番投入してみるつもりだ。
そしてツールボトルが今回の本題。そろそろボロボロになってきて、新しいのに買い換えようと思っていたのだが、改めて見ると、エアロ的にもあまりいい形ではないし、重量的にもツールボトルケースとボトルケージが必要になって、あまりメリットが感じられない。携帯ポンプなどある程度長いものが入るので重宝してきたが、せっかくならなにかこれに変わるものがないかと思い始めたわけだ。
そこでいろいろ探してみたところ、これは結構いいかも! というものが見つかったので紹介したい。
これはいい!! トップチューブバッグをダウンチューブにネジ止め
まずは写真を見て欲しいが、Rhinowalk(ライノウォーク)というブランドのトップチューブバッグ(1.1L)をダウンチューブのボトルケージの位置にネジ止めしたのだ。
最近は一部のロードバイクで、トップチューブにネジ穴が設けられ、トップチューブバッグがネジ止めできるモデルが出てきている。でもってこのトップチューブバッグはそのネジ止めに対応したモデル。そしてそのネジ穴を使えば、ボトルケージの箇所にもネジ止めできるというものなのだ。
ではなぜこんなことをしたのか。
エアロロードを知っている人なら分かると思うが、最近のエアロロードはカムテールと呼ばれる断面形状を採用している。これは英語の「D」の字のような形で、前方は丸みを帯びつつ、後端を平らに切り落とした形。実はこの切り落としたようなデザインが空力的には大きな意味を持つ。
この形状は最近の自動車でも多く採用されるデザインだ。プリウスなども横から見ると、フロントからワンモーションで来たラインが、テールの部分でスパッと縦に切り落とされたようなデザインになっているだろう。最近のミニバンなども、リアバンパーの角がエッジが立ったデザインになっているのは、同じ理由だ。
これは、フロントからボディに沿って流れてきた空気の流れを、後端を断ち切った形状にすることで、きれいに剥離させるのが狙い。ここできれいに剥がせないと、後方に空気が巻き込まれ、乱流となって空気抵抗になってしまうのだ。
ということを踏まえてもう一度見ていただきたいが、最近のエアロロードはもれなく、ダウンチューブ前方が丸みを帯びているが後方は平らになっている。これは先ほど書いた、空気を剥がすためのデザインだ。
そしてそこにボックス形状をした今回のトップチューブバッグをネジ止めすると、空気の流れとしては、ダウンチューブ前面から流れてきた空気が、そのままバッグの側面を通り、バッグ後方(ファスナーの面)で直角に曲がることで空気が剥がれる、という空力的には非常によい形になるのである。
ちなみに“なるのである”などと偉そうに語っているが、筆者はただのしがない編集者であり、別に空力の専門家でも何でも無いので、あくまで「そんな気がする」というレベルの話であることはご了承いただきたい。
さて、話は戻ってライノウォークのトップチューブバッグだが、容量としては1.1L、一番長い面が22.5cmあるので、これまでツールボトルに入れていた空気入れも入るし、携帯工具やTPUチューブ、さらに以前はサドルバッグに入れていた携帯用のリュックもすべて収めることができた。
ツールボトルのサイズにもいろいろあるので一概には言えないが、おおむね収納力は同等かそれ以上という印象。特に観音開きするタイプのツールボトルだと、開いた片面ずつに収納スペースがあるので、どうしてもデッドスペースが生まれてしまうが、その点、ボックス状のこのトップチューブバッグのほうが、収納効率が優れると思う。
しかもこのトップチューブバッグ、内側に補強フレームのようなものが入っているので、ダウンチューブにネジ止めしたときにも形が崩れることもなく、しっかりと固定できる。買ってから2カ月ぐらい使っているが、ダンシングでバイクを振っても暴れることもないし、幅はダウンチューブとほぼ同じなので、足にぶつかることもないし、重量的にもボトルケージ+ツールボトルだったものがこれ1つになったことで軽量化もできていて、かなり気に入っている。
一度、突然の雨に見舞われ、土砂降りの中を1時間以上走った機会があったが、そのときもバッグの中は濡れなかった。もちろんもっと長時間だったらどうなっていたかは分からないが、防水性能も結構高そうだ。
ただし、もし内部に水が入ると、今度は乾きにくくもなるので、雨の中を走ったあとは、ちゃんと中身を確認するようにしよう。
理想を言えば、あと5mmぐらい幅が狭ければ、ダウンチューブの幅とよりマッチしたのに、とか、形状としても空力的にもっといい形があったはずなのに、とないものねだりもなくはないが、もともとトップチューブバッグとして作られているモノなので仕方がない。ただ、個人的にはトップチューブに付けるよりダウンチューブに付けるのに良い形だと思っているので、今後エアロロード向けのダウンチューブバッグみたいなものが登場しないかな、と期待してみたい。
テレワークで余裕ができた時間を有効活用するため、または、変化がなくなりがちなテレワークの日々に新たな風を入れるため、INTERNET Watch編集部員やライター陣がやっていることをリレー形式で紹介していく「テレワーク、空いた時間でなにしてる?」。バックナンバーもぜひお楽しみください。































