経済産業省は16日、同省の「商品トレーサビリティの向上に関する研究会」がとりまとめた「電子タグに関するプライバシー保護ガイドライン」を公表した。
「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)」では、氏名や生年月日などにより特定の個人を識別できる情報を個人情報と定義しており、特定の個人に結びつかない情報はこれに該当せず、同法の規制対象にはならないという。しかし、無線ICタグ(RFID)は現時点では性質が消費者に十分に認識されているとは言えないことから、自分の購入した商品にタグが装着されていること自体を知らなかったり、その商品をそのまま持ち歩くことで所持品のタグを第三者に読み取られる恐れが指摘されている。
ガイドラインでは、消費者に販売した後でもタグがそのまま装着されている商品を取り扱う場合は、タグが装着されている事実や装着箇所、タグに記録されている情報の内容などを表示するよう求めている。また、消費者がタグを読み取れないようにしたい場合に容易に処理できるよう、その手法を説明または表示する必要があるとしている。読み取りを不可能にする手法としては、アルミ箔で覆う、タグ内の情報を電磁的に消去する、タグ自体を取り外す──という3種類が例示されている。
なお、タグ自体に個人情報を記録していない場合でも、個人情報を保存したデータベースとタグを連携して用いる場合には、個人情報保護法の規制対象にあたるという。同法では、個人情報の利用目的の限定、目的以外の利用や第三者への譲渡には本人の同意が必要、データの漏洩などを防止するための安全管理措置などが個人情報の取り扱い事業者の義務として示されている。
経済産業省ではガイドラインの策定にあたり、1月21日に案を公開し、パブリックコメントを募っていた。今回公表されたガイドラインでは、そこで寄せられた意見を踏まえ、事業者が責任者を定めて連絡先を示す必要性があることを追加するなど一部修正が加えられた。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0005035/
パブリックコメントの結果
http://www.meti.go.jp/feedback/data/i40316aj.html
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( 永沢 茂 )
2004/03/17 18:46
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