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米Microsoft、今後の迷惑メールに対する取り組みなどを説明


 マイクロソフトは14日、報道関係者向けの説明会を開催し、米MicrosoftのAnti-Spam Technology&Strategy General ManagerであるRyan Hamalin氏が同社のSpam(迷惑)メールに対する取り組みなどを説明した。


ウイルス等に感染し、迷惑メールを送信し続ける「ゾンビ」が急増

米Microsoft Anti-Spam Technology&Strategy General Manager Ryan Hamalin氏
 現在、米Microsoftの迷惑メール対策チームは50人在席しており、さまざまな研究・開発を行なっているという。同社では、HotmailやMSNで流通しているメールから、迷惑メールの特徴などを分析。フィルタリング技術などに応用している。

 最近の迷惑メールの傾向では、ウイルス等に感染し、意識せずに自動的に迷惑メールを送信し続ける「Zombie(ゾンビ)」が急増しているという。これらのユーザーは、迷惑メール送信ユーザーの“踏み台”として利用されている。マイクロソフトでは、このようなユーザーに対応するために、啓蒙活動やウイルス対策ソフトの導入促進、TCP25番ポートを閉じる、ISPと連携してユーザーに警告する、などの対策を推進しているという。

 ISPと連携では、「通常は1日10通程度しか送信していなかったユーザーが、ある日を境に1日100〜1,000通といったメール送信をし始めた場合に、ISPにメール等で警告してもらう(Hamalin氏)」というものだ。場合によっては、一定以上のトラフィックが発生した場合には、TCP25番ポートを閉じる設定も考えられるという。


5つの施策を中心に対策を推進

 次に同社では、迷惑メール対策に対する取り組みとして5種類の施策を紹介した。

1.技術開発を中心とした製品での取り組み(Technology)
2.利用者への迷惑メールに関する啓蒙活動(Consumer Education)
3.業界内での連携や自主規制整備(Self-Regulation)
4.充実した法制度(Legislation)
5.法的執行・取り締まり(Enforcement)

 まず、5番目の法的執行では、同社はこの1年間で80件の訴訟をしているという。内訳は米国内が50件、ワールドワイドで30件だ。これは、今後の継続的に推進していくが、4番の法整備との兼ね合いもあり、政府との連携も重要だとしている。

 3番の業界との連携では、マイクロソフトだけでは迷惑メールの撲滅は不可能だと判断。米国ではAOLなど、日本国内ではYahoo!などと連携して、迷惑メール対策を推進している。

 2番目のコンシューマに対する啓蒙活動では、「被害者にならないようにすることが最重要である」と説明。同社Webサイトなどを通じて説明していくほか、イベントなども開催するとしている。


PDFのように送信側は有料ソフト、受信側は無料ソフトの送信システムを構築

 また、1番目のTechnologyに関しては、「proof(証拠)」「prevention(予防)」「protect(防御)」の施策を用意。来年以降、ExchangeやOutlook、MSNなどに順次搭載していく予定だとしている。

 proofでは、コンピュテーショナルプルーフという“なりすまし”の防止技術を実装する。送信者に「Sender ID」などを付与することによって、ドメインなどのなりすましを防ぐ。これにより、「迷惑メールの半分を除去できるはず(Hamalin氏)」だという。

 コンピュテーショナルプルーフでは、ハッシュアルゴリズムの一種を導入し、送信メールにバイナリとして添付。受信側も専用のソフトを用いて、このアルゴリズムを解読というもの。Hamalin氏は「送信側がパズルを作って、受信者がそれを組み立てるイメージ」と説明している。

 送信者は、コンピュテーショナルプルーフを組み込んだソフトが必要で、受信者側のソフトウェアは無償で配布。「アドビのPDFのような利用形態だ(同氏)」だという。コンピュテーショナルプルーフは、来年以降のExchangeやOutlookに組み込んでいく予定だ。また、sendmailなどの他社製品向けに、プラグインやライセンス提供も検討しているという。

 また、予防や防御策では、SmartScreen Technologyの導入を推進する。SmartScreen Technologyは、Hotmailのフィルタリング機能に蓄積された迷惑メールのデータを基に、各サーバーやクライアント用の迷惑メールフィルタリングエンジンやパターンファイルとしてフィードバックする技術だ。すでに、Outlook 2003などには「Intellgent Spam Filter」(ISF)として実装されている。また、今後、Exchange Server 2003用のアドオン「Intelligent Message Filter」(IMF)としても提供する予定だとしている。


Hotmailでは、半年間で6割の迷惑メールが減少

 Microsoftでは、これら5種類の施策を組み合わせて提供していくことにより、迷惑メールの撲滅を狙う。具体的には、「1年後にコンピュテーショナルプルーフを導入することで迷惑メールが減少しはじめ、2年後には“大半の迷惑メール”をSmartScreen Technologyでフィルタリングできるはずだ(Hamalin氏)」と説明している。

 その根拠としては、すでにSmartScreen Technologyを導入しているHotmailでは、導入後半年間で、約6割の迷惑メールが減少したとしており、自信を覗かせた。


関連情報

URL
  マイクロソフト
  http://www.microsoft.com/japan/

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( 大津 心 )
2004/06/14 13:26

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