米Googleは6日、Webページだけでなく書籍の情報も対象にして全文検索を行なう「Google Print」を開始した。Googleでは、「インターネット外の情報をオンラインで検索できるようにする、Googleの試みの大きな一歩」だとしている。現在は英語圏だけで利用可能だが、将来的には他の言語にも拡大する予定だ。
Google Printでは、Google.comで検索したキーワードに該当する書籍が存在する場合に、検索結果ページの上方にGoogle Printへのリンクを表示する。そこをクリックすると、Googleのサーバー上にホスティングされているスキャンされた書籍の一部内容が表示される。そのページには本を購入するための「Buy this Book」リンクがあり、米Amazon.com、米Barnes&Noble、米Booksenseなどの大手オンライン書店へのリンクや、出版社独自のオンラインショッピングサイトへのリンクも表示される。また、書籍の内容に応じたGoogle AdSense広告も表示され、広告収入はGoogleと出版社で折半する。
Google Printに参加したい出版社は、Googleにオンラインで申し込み、書籍をGoogleに送るだけでよい。スキャンや登録、ホスティングなどをすべてGoogleが担当するため、出版社の負担は少ない。むしろ、Googleの検索結果に書籍が表示されることで新しい販売ルートが開拓できるとともに、AdSenseによる広告収入も期待できるというメリットがある。
その一方で問題となるのは、スキャンされた書籍の著作権である。Googleによると、Google Printで表示されるコンテンツは印刷やコピー、保存ができないようにされている。さらに書籍全体を見ることができないようにするため、30日間で書籍の何%を見ることができるかを設定可能だ。Googleは、Google Printについて「書籍のマーケティングプログラムであり、オンライン図書館とは反対のものだ」と説明している。
書籍の中身を検索できるサービスは、米Amazon.comがすでに「Search Inside The Book」機能で実現している。Amazon.com内で販売している多くの書籍について全文検索ができるようにしているもので、書籍の中身を購入前に詳細に確認できることで人気を博している。Search Inside The Book機能は、Amazon.com子会社が9月に発表した検索エンジンのA9.comでも利用。A9.comでは、Googleの検索結果とSearch Inside The Bookの検索結果があわせて表示され、Amazon.comに誘導する仕組みとなっている。Google Printは、Amazon.comが書籍の全文検索を行なうことを発表したのと同時期にすでにテストが始まっていたため、今回の正式公開までには1年程度の時間がかかったことになる。
関連情報
■URL
Google Printの申し込みページ(英文)
https://print.google.com/publisher/
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2004/10/07 12:10
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