トレンドマイクロは、同社のセキュリティ対策ソフト「ウイルスバスター2004」に対して、スパイウェアパターン「171」の提供を開始した。同パターンファイル適用後は、Internet Explorer対応の日本語キーワードプラグイン「JWord」をスパイウェアとして検出しないようになる。
スパイウェアパターン「167」以降のウイルスバスター2004では、JWordのモジュールである「CnsMin.dll」と「Cnsio.dll」が、スパイウェア「ADW_CNSMIN.A」のパターンファイルと一致するため、スパイウェアとして検知していた。ただし、トレンドマイクロでは、「JWord自体はスパイウェア的な活動を行なわない」とし、同社Webサイトでウイルスバスター2004とJWordの併用方法を解説していた。
その後、JWordを提供するアクセスポートとトレンドマイクロでは、ウイルスバスター2004でJWordをスパイウェアとして検知しないように協議。トレンドマイクロでは、「提供元がはっきりしており、JWordの安全性を確認したため、検知しないようにするパターンファイルの提供を開始した」という。
アクセスポートでは、「JWordで利用しているモジュールは、米Yahooの100%子会社である中国の3721 Network Softwareと共同開発したもの。ただし、日本語版はローカライズしているため、中国語版とすべて同一というわけではない」とコメント。トレンドマイクロ以外の複数のセキュリティベンダーとも、JWordをスパイウェアとして検知しないよう協議を進めているという。「多くのユーザーに不安を抱かせてしまった。今後は最善の対応をしていきたい」としている。
トレンドマイクロでは、「スパイウェアは、ユーザーが納得してインストールしているものもあり、検知・駆除の判断が難しい」とコメント。10月22日に発売する予定の「ウイルスバスター2005 インターネット セキュリティ」では、同シリーズでは初となるスパイウェアの駆除機能を搭載したが、「年末から年始にかけて、駆除したスパイウェアのリストア機能を追加する」としている。
【お詫びと訂正】
初出時、アクセスポートのコメントとして掲載した内容については、取材時の確認が不十分であったため、事実とは異なるコメントとなっておりました。このため、17:00に内容を修正の上、記事を再公開しました。関係者のみなさまにご迷惑をおかけしたことをお詫びします。(編集部)
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関連情報
■URL
ADW_CNSMIN.A(トレンドマイクロ)
http://www.trendmicro.co.jp/vinfo/virusencyclo/default5.asp?VName=ADW_CNSMIN.A
CnsMinについて(JWord)
http://www.jword.jp/help/help_faq_install_cnsmin.htm
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( 鷹木 創 )
2004/10/18 10:12
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