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公取委、Windowsにおける特許の非係争条項でMicrosoftの審判開始


 公正取引委員会は、Windowsのライセンシーに対して締結した特許の非係争条項が独占禁止法違反にあたるとして、米Microsoftに対して勧告していた問題で審判手続きを開始した。25日、公正取引委員会において第1回審判が行なわれた。

 問題となっているのは、MicrosoftがWindowsのライセンシーに対して「Microsoftと他のライセンシーに対して特許侵害を理由に訴訟を起こさない」ことを誓約させる“非係争条項”を締結していた点。公正取引委員会では、同条項が独占禁止法違反にあたるとして、すでに国内PCメーカーが締結していた同条項を破棄するよう7月13日にMicrosoftに勧告していた。これに対してMicrosoftは7月26日、勧告には応諾しないと回答し、判断の場が審判に移されていた。

 公正取引委員会では、同条項により、ライセンシーの持つ特許がWindowsに取り込まれてしまった場合でも、Microsoftに損害賠償請求を起こしたり、他のWindowsライセンシーに対して差止請求やロイヤリティ請求を行なうことが困難になると指摘している。特にWindowsで拡張が著しいAV機能の技術開発の意欲が損なわれ、公正な競争が阻害されるという。また、AV機能に関する特許を有する国内メーカーが同条項の削除や修正を求めたにも関わらず、Microsoftが拒否した事例も示し、Windowsの大きなシェアをバックにほとんどのPCメーカーで同条項が含まれたライセンス契約の締結を余儀なくされていると説明している。なお、非係争条項は2004年8月1日以降のライセンス契約では削除されたが、それ以前に締結されたライセンス契約では8月1日以降も引き続き同条項が効力を発揮するという。

 第1回審判でMicrosoftはあらためて、非係争条項が正当な目的のために設けられたものであり、公正取引委員会が審判開始決定書の中で指摘した事実について全面的に争うとの方針を示した。さらに決定書の内容について「事実があまりにも抽象的過ぎる。このままでは答弁を行なうわけにはいかない」として、公正取引委員会が決定書の中で例示している「AV機能に関する技術」やライセンシーの具体的な名称について明確にするよう求めた。また、審判を進めるにあたっては「日本で違法と認められた場合、世界的に活動しているMicrosoftにとって大きな足かせになる。その部分を踏まえて欲しい」とも述べた。

 これに対して公正取引委員会では、非係争条項に懸念を持ち、削除や修正のための交渉を行なっていたPCメーカーとしてソニー、松下電器産業、三菱電機の3社の名前を提示。ソニーがVAIOに搭載しているテレビ録画ソフト「Giga Pocket」のようなAV機能がWindowsに取り込まれてしまっても、これを訴えることができないとすれば、VAIOのセールスポイントがなくなるとして、ソニーでも「非係争条項は(PCの)差別化戦略に悪影響を及ぼす」と考えていることを説明した。

 第2回審判は12月20日に行なわれ、公正取引委員会の指摘にMicrosoftが反論する予定だ。


関連情報

URL
  審判開始決定についてのニュースリリース(PDF)
  http://www.jftc.go.jp/pressrelease/04.september/040903.pdf

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( 永沢 茂 )
2004/10/25 20:42

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