FirefoxはIEに比べてセキュリティ面でも優位～Mozilla技術責任者

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FirefoxはIEに比べてセキュリティ面でも優位～Mozilla技術責任者

　Mozilla Japanは2日、来日したMozilla Foundationの技術責任者Chris Hofmann氏による報道陣向けの説明会を開催した。前半は1日に行なわれたセミナーの講演内容をなぞる形でWebブラウザ「Firefox」の概要についての説明が行なわれ、後半ではFirefoxやThunderbirdについての質疑応答が交わされた。

　Hofmann氏は、11月9日にバージョン1.0の正式リリースを予定しているFirefoxについて、Internet Explorer（IE）に深刻な脆弱性が見つかった6月中旬から7月中旬の1カ月間に約550万件のダウンロードがあったことなどを挙げ、ユーザーがセキュリティを守りたいという意識が高まっていると語った。これによりシェアも順調に伸びており、Webサイトのアクセスログからの分析ではサイトの種類によるものの6～18％程度のシェアがあるものと推定しているという。

　また、セキュリティ面でもIEに比べて優れているとして、デンマークのセキュリティベンダーであるSecuniaのデータを紹介し、Firefoxでは深刻なセキュリティバグやパッチの当てられていないバグが少ないといった実績を示した。こうした実績は、Firefoxの設計自体がセキュリティ面で優れており、開発段階からセキュリティを念頭に置いて作業を進めていることや、多くの熱意あるエンジニアやテスターによって支えられていると強調した。

　質疑応答ではセキュリティ問題について、現在はFirefoxのシェアも少ないために攻撃の対象とならず深刻なバグも多く見つかっていないのではないかという質問に対して、Hofmann氏は「確かにFirefoxが普及すればセキュリティの不安が増えると思っているユーザーも多いと思うが、セキュリティについてはユーザー数よりもアーキテクチャに目を向けるべきだと思う」と述べ、WebサーバーのApacheはマイクロソフトのIISよりもはるかに普及しているが、脆弱性対策の面ではApacheの方が優れた実績を挙げているといった例を挙げた。

　また、IEとFirefoxの違いについては、「IEのアーキテクチャの根本にはセキュリティゾーンという概念があり、安全なゾーンと見なされた場合にはローカルディスクと同じセキュリティレベルであらゆるプログラムが実行できてしまう」と語り、これが諸問題の根源となっているとした。一方、Firefoxにはそのような概念はなく、また同じくセキュリティ上で多くの問題を引き起こしているActiveXコントロールのような問題も無いため、セキュリティ面で有利であると語った。

　メールソフトの「Thunderbird」については、まもなくバージョン0.9を公開するとして、順調に進めば11月末にも正式バージョンを公開する予定であることを明らかにした。また、迷惑メール対策の技術についてもスタンフォード大学などの研究プロジェクトと共に取り組んでおり、Sender IDやDomainKeysといった技術についてもオープンスタンダードに基づいたものを取り入れていきたいと語った。

　Mozillaの今後のプラットフォームに関する質問では、現在はWindows、Macintosh、Linuxや各種UNIXなどをサポートしているが、今後は非PCデバイスへの搭載も考えているとした。具体的には、2003年からスタートした「Minimo」というプロジェクトが、小型デバイス上で動くMozillaの開発を進めており、すでに数社が関心を持っていることを明らかにした。


アクセスログに占めるFirefoxの割合を示したグラフ	SecuniaのデータによるIEとFirefoxの脆弱性への対応状況の比較

関連情報

■URL
　 Mozilla Japan
　 http://www.mozilla-japan.org/
　 Mozilla Foundation
　 http://www.mozilla.org/
　 Minimo Project
　 http://www.mozilla.org/projects/minimo/

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・ Mozilla Japan、Firefoxの正式リリースを控え直前セミナーを開催（2004/11/01）
・「IEでこの4年間に追加されたのはポップアップブロックだけ」～Mozillaセミナー（2004/11/01）

（三柳英樹）
2004/11/02 18:04

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