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六本木ヒルズ付近の画像はさらに拡大することも可能
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関東地方の拡大画面。一定レベルに画像を拡大すると、登録してある地名が表示される
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米Googleが販売している衛星地図データサービス「Keyhole」のデータが大幅にアップデートされ、地球全域において1ピクセルあたり15メートルの解像度の衛星地図を提供していることがわかった。
2004年11月にGoogleがKeyholeを買収した時点では、全米の衛星地図のほか、イラクや東京の一部などで詳細なデータが提供されるに止まり、それ以外の画面では画像を拡大できなかった。それが今回のアップデートにより、この状況は大きく変わった。地球のどの場所でも、最低でも15メートルの解像度のデータが提供されており、都市部など地域によってはさらに詳細な解像度の写真も用意されている。
南極や北極をはじめ、サハラ砂漠やウラル山脈、ヒマラヤ山脈などでも地理的特徴をかなりのレベルまで拡大して見ることができる。また、日本国内のデータも大幅に増えた。東京や神奈川の一部では、走っているクルマの形や歩く人の影まで表示できるほどの画像も提供されている。特に米国と欧州地域では拡大できる地域が大幅に増えている。
ただし、都市部でも地域によっては衛星画像データの購入元業者が異なるため、道路を隔てて東西で解像度がまったく違うこともある。また、撮影された天候によっても景色の見え方が異なることもある。Keyholeの中には多くの地名データが内蔵されており、国名と地名を入力することによってその場所に“ワープ”できるが、日本国内で試してみたところ、同名の異なる場所に飛ばされることが多く、現実にはおおまかな見当をつけるために利用する程度に考えておいたほうがよさそうだ。
このほか、Keyholeでは衛星画像データをストリーミングして専用ソフトで表示しているが、今回のメジャーアップデートにより負荷分散機能が強化され、以前よりもスムーズにデータをダウンロードできるようになったとしている。
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イラクのバグダッド近郊にある飛行場。格納庫の脇に2機の飛行機が止まっているのがわかる。さらに拡大することも可能だ
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スコットランドのネス湖。低い解像度しか用意されていない地域でも、かなり鮮明な画像が見られる
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Keyholeはパーソナル版が29.95ドル、より高機能なプロフェッショナル版が599ドルで発売されており、7日間は無料で試用できる。対応環境はWindows XP/2000/Me/98、Pentium III 500 MHz以上、メモリ128MB以上、 HDD容量200MB以上、16MB以上のVRAMを持つ3Dグラフィックカードだが、グラフィック能力が要求されるため、快適に動作させるにはさらに高いスペックが要求される。
GoogleはKeyholeを不動産業者や政府機関、防衛産業などに売り込んでいるが、将来的にはこの衛星地図データをもとに地球全域のデータをGoogleに取り込むことが狙いと考えられている。一部の著名なブロガーたちは、数カ月以内にKeyholeのサービスを「Google Earth」と改名するだろうと記述しており、さらなる展開があるかもしれない。Keyholeのデータはすでに米国では「Google Maps」に取り込まれており、ブラウザから米国内の衛星画像を閲覧したり、地図上に地域別検索結果を表示できるまでになっている。
関連情報
■URL
Keyhole(英文)
http://www.keyhole.com/
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・ 米Googleが衛星地図ベンチャー米Keyholeを買収(2004/10/28)
・ 米Google、地図サービスで衛星写真の表示を開始(2005/04/06)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/05/20 16:22
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