Internet Watch logo
記事検索
最新ニュース

「SoftEther VPN 2.0 Beta 3.2」公開、ブリッジ拠点用ソフトも追加


 ソフトイーサは4日、VPN構築ソフト「SoftEther VPN 2.0 Beta 3.2」を公開した。Windows Server 2003/XP/2000/NT 4.0/Me/98に対応する。

 SoftEther VPN 2.0 Beta 3.2では、クラスタリング環境における集中統合管理機能が実装された。従来のバージョンでは、複数のVPN Server 2.0をクラスタリング機能によって1つのクラスタとして動作させた場合、複数のVPN Serverにまたがった仮想HUBを管理するためには、複数のVPN Serverへ同時に接続してセッションを管理する必要があった。

 Beta 3.2では、複数のVPN Serverで構成されたクラスタ内の仮想HUBを管理する場合に、クラスタメンバー数が多くなっても、全管理作業をクラスタコントローラのVPN Serverに接続して一括管理できるようになった。

 また、仮想HUB間のカスケード接続時にクライアント証明書による認証もサポート。これまでは、ユーザー名とパスワードによるユーザー認証のみが使用可能だったが、Beta 3.2からはRSA鍵長が1,024bitの「X.509」準拠した証明書による認証が可能だ。

 さらに、ATOK16との組み合わせによるメモリリークの解消や、コネクション管理アルゴリズム改良による複数TCPコネクション接続時の安定性向上を実現。VPN Server 2.0が起動中でも、停止することなくconfigファイルを編集できるようになった。これらに加え、細かい不具合にも修正が施されている。

 このほか、SoftEther VPN 2.0シリーズにはブリッジ拠点専用ソフト「SoftEther VPN Bridge 2.0」を追加した。VPN Bridge 2.0は、VPN Server 2.0の機能を絞って実装したもの。「内部に『BRIDGE』という名称の仮想HUBを1つ作成できる」「任意の外部コンピュータ上のVPN Server 2.0に常時カスケード接続できる」「外部コンピュータのLANカードとの間でLayer-2ブリッジ接続ができる」「VPN Server 2.0のリモート管理ツールでVPN Bridge 2.0を管理可能」といった機能を搭載している。

 今後は、全ての拠点にVPN Server 2.0を使用するのではなく、サテライトの拠点にはVPN Bridge 2.0を使用することで管理を簡略化できるという。なお、VPN Server 2.0とVPN Bridge 2.0は管理用ポートとして同一のポート番号を使用するため、1台のPCで併用することは推奨されていない。

 なお、SoftEther VPN 2.0 Beta 3.2では機能拡張のほか、外注先プログラマーが開発したプログラムの圧縮・暗号化ユーティリティの使用を取りやめた。これによりBeta 3.2では、SoftEther VPN 2.0の“生”のコードが見えることになるという。逆アセンブルされて改造やクラックされる恐れもあるが、ソフトイーサの登大遊代表取締役社長は自身のブログで「SoftEther VPN 2.0は頑丈なソフトだという自信があるのでクラッカーに解析されても安全性は変わらないはず」と述べている。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.softether.com/jp/news/050704.aspx
  ダウンロードページ
  http://www.softether.com/jp/vpn2/download/
  登大遊氏のブログ該当記事
  http://d.hatena.ne.jp/softether/20050703#p2

関連記事
SoftEtherに不正なコードは見つからず(2005/07/04)
「SoftEther VPN Beta 3」公開、クライアントがWindows Me/98に対応(2005/05/17)


( 鷹木 創 )
2005/07/04 19:22

- ページの先頭へ-

INTERNET Watch ホームページ
Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.