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総務省、自殺予告に対するプロバイダーの情報開示ガイドラインを策定へ


 総務省は25日、インターネット上の自殺予告や集団自殺を呼びかける書き込みに対して、プロバイダーが警察から発信者情報の開示を求められた場合のガイドラインを定めると発表した。通信事業者団体がガイドライン案を公表し、一般からの意見募集を行なう。

 総務省では、インターネット上の掲示板などでの自殺予告や集団自殺を呼びかける書き込みに対して、自殺予告の発見者から警察に通報があり、警察からプロバイダーなどに発信者情報の開示を求めるケースが増えていることに対して検討を行なってきた。5月からは、通信事業者4団体(電気通信事業者協会、テレコムサービス協会、日本インターネットプロバイダー協会、日本ケーブルテレビ連盟)および警察庁とともに、自殺予告に対してプロバイダーが迅速に対応するための方策について検討を進めてきた。

 検討の結果、通信事業者4団体が「インターネット上の自殺予告事案への対応に関するガイドライン」を策定し、プロバイダーが警察から発信者情報の開示を求められた際の判断基準や手続きを定めることとした。ガイドライン案に対しては、8月26日から9月22日まで意見募集を行ない、寄せられた意見を参考にした上で4団体がガイドラインを策定するとしている。

 公表されたガイドライン案では、自殺予告に対する発信者情報の開示基準として、1)自殺を予告する書き込みが行なわれた日時や書き込みの内容などから、自殺決行の次期が切迫していると認められること、2)書き込みの内容において具体的場所、動機、方法などが示されることにより、現実に自殺を決行する可能性が高いと認められること、3)書き込みの内容において「死にます」「自殺します」などの表現により自殺を決行する意思が表示されていること、4)書き込みがなされている掲示板の性質、他の書き込みの内容、警察から提供された書き込み者に関する情報などに照らして、現在の危難の存在を疑わせる特段の事情がないこと、――などの条件を挙げている。

 また、掲示板などでは他人の殺害を予告する書き込みがされることもあるが、殺害予告は一般的には脅迫罪や威力業務妨害罪などの犯罪を構成することから、プロバイダーは令状の提示を受けることにより発信者情報を開示することができる。こうしたことから、今回のガイドラインでは自殺予告のみを対象とし、殺害予告への対応については今後の検討課題としている。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050825_4.html
  インターネット上の自殺予告事案への対応に関するガイドライン案(PDF)
  http://www.telesa.or.jp/consortium/guideline_suicide_draft050825.pdf
  電気通信事業者協会
  http://www.tca.or.jp/
  テレコムサービス協会
  http://www.telesa.or.jp/
  日本インターネットプロバイダー協会
  http://www.jaipa.or.jp/
  日本ケーブルテレビ連盟
  http://www.catv-jcta.jp/

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( 三柳英樹 )
2005/08/25 16:05

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