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「私的録音録画小委員会」第2回会合、私的録音の実態データなど紹介


 私的録音録画補償金制度の抜本的な見直しに向けた検討を行なうために、文化審議会著作権分科会に設けられた「私的録音録画小委員会」の第2回会合が、17日に行なわれた。今回の会合では、本格的な議論に入る前段階として、私的録音を巡る現状についての調査資料などが紹介された。

 会合では、小委員会の事務局となっている文化庁長官官房著作権課から、私的録音を巡る実情の変化に関して、CDや音楽配信の売上や日本音楽著作権協会(JASRAC)における使用料、記録メディアの需要、携帯デジタルオーディオプレーヤーの出荷台数などの推移について各種調査データが示された。


私的録音録画小委員会 第2回
 この中で、私的録音補償金管理協会(sarah)が実施している「私的録音に関する実態調査」の結果が紹介された。そのグラフによれば、1人あたりの私的録音の年間平均回数は、1991年に18回弱あったのが、1997年には13回弱に減り、2001年、2005年もそれぞれ13回弱でほぼ横ばいになっている。ただし、このうちデジタル録音によるものは、1997年に約3回だったのが、2001年には6回弱、2005年には約9回と増加傾向にあるという(デジタル録音については1991年には実態がなかったため調査していない。以下も同様)。

 また、1年以内に私的録音の経験がある人の割合は、アナログ録音が1991年に約46%、1997年に約44%、2001年に約39%、2005年に約24%と減少傾向にある。一方でデジタル録音では、1997年に約8%だったのが、2001年に約26%、2005年には約41%と増加している。デジタル機器の普及で、デジタル録音がアナログ録音を代替しつつあるとしている。

 とはいえ、私的録音経験者における年間平均回数は、デジタル録音であっても一様に増加傾向にあるわけではないようだ。1997年に約35回だったが、2001年には約22回に減少、2005年に約23回と推移している。一方、アナログ録音は、1991年に約39回だったのが、1997年に約22回、2001年に約17回、2005年に約14回と減少傾向を示している。

 デジタル録音の音源別の総録音回数については、2005年の調査で最も比率が高かったのは「CDレンタルからの録音」で28.6%を占めた。以下、「他人が所有する録音物からの録音」が24.3%、「自分や家族が所有する録音物からの録音」が19.7%、「放送からの録音」が11.3%、「インターネットからの録音」が10.5%、「生演奏からのライブ録音(生録)」が3.3%、「上記以外のその他の録音」が2.4%と続く。

 1997年には「放送からの録音」が36.8%で最も多かったため、その比率は2005年までに3分の1以下になったことになる。一方、1997年には13.8%だった「自分や家族が所有する録音物からの録音」、12.4%だった「他人が所有する録音物からの録音」が増加した。「CDレンタルからの録音」は1997年には31.6%だったため、それほど大きな変動はないが、比率はやや下がっている。

 私的録音を行なう理由をたずねるアンケート(複数回答)の2005年の結果では、「ヘッドホンタイプのプレーヤーやカーステレオで聞くため」の46.8%、「好きな音楽を抜き出して編集したディスクやテープを自分で作って聞くため」の45.2%、「CDや市販の録音済みMDまたはテープを買うよりも安くすむから」の43.6%の3つが飛び抜けて高い比率を示している。

 第3回会合は6月28日に行なわれる。引き続き私的録音の実態について確認した後、検討に向けた論点の抽出に入る予定だ。


関連情報

URL
  文化審議会著作権分科会 私的録音録画小委員会(第2回)の開催について
  http://www.bunka.go.jp/1osirase/bunkasingi_chosaku_rokuon2.html

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( 永沢 茂 )
2006/05/17 19:19

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