長野県警は24日、他人のインターネットバンキングの口座に不正アクセスして53万円余りを引き出したとして、埼玉県川口市の無職男性(34歳)を不正アクセス禁止法違反、電子計算機使用詐欺、窃盗の容疑で逮捕した。男性は、ファイル交換ソフト「LimeWire」を使って被害者の口座のIDとパスワードを入手していたという。
男性は2006年1月、石川県の男性の「郵貯インターネットホームサービス」の口座のIDとパスワードを使って、この口座から自身の口座に送金した疑いが持たれている。被害者はこれらの情報を記載したファイルを自分のPC内に保存しており、それが誤ってLimeWireで公開される設定になっていたと見られる。ウイルス感染による流出ではないという。
逮捕された男性は今回の容疑以外にも、2月に八十二銀行のインターネットバンキングに不正アクセスして95万円を引き出したとして、埼玉県鳩ヶ谷市の無職男性(33歳)とともに6月1日に逮捕されていた。長野県警では、ほかにもファイル交換ソフトでIDやパスワードを収集していたものと見ており、余罪についても捜査している。
ファイル交換ソフト利用者のインターネットバンキング口座が狙われた不正アクセス事件としては、6月末に兵庫県警でも長崎県の無職男性(27歳)を逮捕している。この事件では、「Winny」を利用していた被害者が“暴露ウイルス”の1つである「山田オルタナティブ」に感染。インターネット上に公開されてしまった被害者の口座情報が悪用された。長崎県の男性は、山田オルタナティブに感染したPCの情報を2ちゃんねるで収集し、実際に150人以上のPCから個人情報を入手していたという。
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■URL
長野県警察
http://www.pref.nagano.jp/police/
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( 永沢 茂 )
2006/07/27 14:18
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