ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントは14日、「子どものインターネット利用」に関する説明会を開催した。子ども向けポータルサイト「キッズgoo」およびアンケートサービス「gooリサーチ」のデータを基に、子どものインターネット利用動向について説明した。
● 学校生活が検索行動に反映
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NTTレゾナント渡辺純子氏
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キッズgooは、安全、安心、便利をコンセプトに、2001年7月23日より運営されているサイト。メインターゲットは小学生中高学年となり、月間PV数は約8,762万PV(2006年6月集計)になる。主な特徴として、Web検索結果から子どもに不適切なサイトを除外するフィルタリング機能や漢字ひらがな変換機能、学習シーンでの利用に便利なコンテンツなどを用意している。
キッズgooによると、子どもの検索キーワードの動向としては、検索上位100ワードのうち、学期中は約7割が学習ワードになるという。具体的には、社会や国語に関するワードが目立つほか、リサイクルや地球温暖化といった環境に関するワードも多く検索されている。
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キッズgoo検索キーワードランキング
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6月26日から7月2日の検索数を例に挙げると、常に1位の「ゲーム」以下は、2位「織田信長」、3位「ことわざ」、4位「リサイクル」、5位「豊臣秀吉」となっている。このほか特徴的なワードとしては、“調べ学習”で取り上げられる「メダカ」12位などがある。
NTTレゾナントのキッズgoo担当である渡辺純子氏は、「学習ワードの定番は環境ワードだが、最近の傾向としては福祉関連ワードの検索が増えている」と指摘。「2005年度頃から上昇し、現在では上位ワードとして定着してきている」と説明した。またgooのWeb検索では少ないが、キッズgooの検索では多く検索されているワードもあるという。
キッズgooでは、夏休みの特集として自由研究等に役立つコンテンツを公開していた。2006年の閲覧件数を見ると、まず7月20日頃にアクセス数が増え、8月上旬に減っているが、8月15日以降から再び増加し、夏休み最終日が近づくとアクセス数はピークに達した。自由研究のジャンル別では、「作ってみよう」の工作が夏休み全体を通して人気だったという。
このほか渡辺氏は、ブログを開設する小学生が増えてきていることを例に、「情報の発信者としてのルールやマナーを子どもたち自身が理解をするような仕掛け作りが必要」と説明。また、「今の小学校高学年は生まれたときからネットがある最初の世代」とし、「彼らにIT利用の常識形成のアプローチを社会全体で考えていく必要がある」と語った。
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自由研究テーマ別閲覧件数の推移
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● まずは大人のITリテラシー向上から
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「テレビの視聴時間がネットにシフトするのでは」と語る岡村氏
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また説明会では、gooリサーチが過去に実施してきた「小学生のインターネット利用に関する動向調査」からデータを抜粋し、子どものIT利用実態について紹介した。
子どものインターネット利用時間については、週1時間以上が過半数で、週7時間以上の利用も約1割を占めているとした。インターネットを長時間利用する子どもは年々増加傾向にあるという。
家庭でのインターネット利用目的については、「ゲーム」56.2%に続いて、「勉強のための検索」49.1%が多かった。NTTレゾナントのgooリサーチ担当である岡村栄一氏は、「ブログやSNS等の利用も普及傾向にあり、Web2.0の流れが子どもにも浸透してきている」と説明した。
パソコン・インターネットの利用教育では、学校以外でのパソコン教育について全体の43.1%が「親が行なっている」と回答。教育時に参考にしているものは「親の経験や知識の範囲内で」が58.9%で最も多かった。岡村氏は、「子どものITリテラシー向上には、まず親のITリテラシーレベルを上げることが必要」と述べた。
また岡村氏は、「インターネット利用時の安心・安全を求める保護者の意識は高い。子どもを教育する親、教師のITリテラシー向上含め、安心してインターネットを利用できる環境整備を社会全体で推進していくことが必要」と語った。
関連情報
■URL
キッズgoo
http://kids.goo.ne.jp/
gooリサーチ
http://research.goo.ne.jp/
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( 野津 誠 )
2006/09/14 20:35
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