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つなぐネット、マンション向け緊急地震速報サービス「SCOOP」を発表


マンションのインターホンに緊急地震速報を配信する「SCOOP」
 つなぐネットコミュニケーションズ(つなぐネット)は24日、マンション向け緊急地震速報サービス「SCOOP(スクープ)」を発表した。気象庁から発信される緊急地震速報を、IPv6マルチキャストにより各マンションに配信するサービスで、今後新築されるマンションを中心にサービスを展開する。

 つなぐネットは丸紅、三菱地所、東京建物の3社による合弁会社で、マンション向けのインターネットサービス「e-mansion」を手掛けており、6月末現在で1,325棟のマンションにサービスを導入している。つなぐネットではこのインフラ構築技術を活用し、新たに緊急地震速報をマンションに配信するサービスを開始する。

 開始するサービス「SCOOP」は、地震発生時に気象庁から発信される緊急地震速報を、光回線を利用してマンションに配信するサービス。緊急地震速報は、震源に近い地震計が捉えた地震波から地震の規模を算出し、気象庁が各地に推定震度や地震到達までの時間を速報として配信するシステム。10月からは一般向けの提供が開始されるが、SCOOPでは単に地震速報を伝えるだけでなく、各マンションの立地条件なども考慮に入れた震度予想を行なうことや、地震前・地震中・地震後のそれぞれのタイミングで取るべき行動を音声でアナウンスする点などが特徴となっている。

 地震が発生した場合、気象庁から発信された緊急地震速報は、つなぐネットから各マンションへの光ファイバにより、IPv6マルチキャストを用いて配信される。この情報を受信した各マンションの地震情報解析機器は、地盤条件などを考慮して各マンションごとに地震震度と揺れ到達までの時間を算出し、マンション各戸のインターホンを通じて情報として配信する。

 このほか、マンション内設備と連動して、地震発生前にエレベーターを最寄りの階に停止させたり、オートロックを解除するなどの措置にも対応。また、入居者向けには防災マニュアルやDVDを配布し、緊急地震速報を受信した際にどのように行動すべきかの指針を示す。サービス提供の標準価格はマンション1棟あたり月額31,500円、1戸あたり月額525円。100戸のマンションの場合、1戸あたりの負担額は月額840円となる。


緊急地震速報のしくみ 光ファイバで各マンションに情報を配信し、各戸のインターホンから音声と文字で情報を伝える

テレビやPC、携帯電話に比べて、インターホンは伝達性に優れているとしている 地盤情報などから、各マンションごとに震度や到達時間などを算定する

エレベーターやオートロックなど、マンション設備とも連動 情報はIPv6マルチキャストを使って配信

被害を防ぐにはシステムや機器に加えて行動指針が必要

(左から)危機管理アドバイザーの国崎信江氏、つなぐネットコミュニケーションズの可部谷徹社長兼CEO、芝田典和取締役
 つなぐネットの芝田典和取締役は、マンションのインターホンを通じて緊急地震速報を伝達する仕組みは、常に機器の電源が入っている点や、マンションに固有の情報が伝えられるという点で、テレビやPC、携帯電話といった他の伝達手段と比べてより確実に正確な情報を伝えられると説明。単に地震速報を伝えるだけでなく、マニュアルやDVDの配布、防災セミナーや防災訓練の実施といった、トータルでの防災に向けたサービスを展開していくとした。

 つなぐネットが実施した、30〜50代のマンション居住者400人を対象にしたアンケート調査では、家庭で地震対策をしている人の割合は56.5%にとどまっている。ただし、地震対策をしていない理由としては「何をすればいいかわからないから」という回答が48.9%に上っており、わかりやすい総合的な地震対策サービスが求められているとした。

 また、緊急地震速報の認知率については、現状では60.0%にとどまっているが、地震速報を利用したいという意向は84.8%と高く、サービスとしては月額1,000円未満であれば利用したいという回答が69.8%であったことから、標準的なマンションで1,000円未満になるように価格を設定したと説明。既に東京建物が今秋以降に販売開始を予定している「Brilliaシリーズ」マンションへの導入が決定しており、現在販売中の「Brillia有明」など4件に先行導入されている。

 今後は親会社の東京建物、丸紅、三菱地所に加え、各デベロッパーへの販売を展開し、2008年度に120棟12,000戸への導入を目指す。インターホンを利用するシステムのため、新築マンションへの導入が前提となるが、インターホンのリニューアルのタイミングなどで既存のマンションへの導入も可能だという。

 防災マニュアルや地震発生時の音声ガイドの内容を監修した危機管理アドバイザーの国崎信江氏は、「システムや機器を導入しただけでは被害を軽減できない」として、緊急地震速報を受信してから実際に揺れるまでの間に、どのような行動をとるかを理解していることが重要だと説明。事前に配布したマニュアルだけでなく、防災訓練から得られた教訓などをマニュアルに追加・改定していくことで、安心を提供するための取り組みを継続的に行なっていきたいとした。


4割強の家庭が地震対策を行なっていない 地震対策を行なっていない理由は「何をすればいいのかわからない」が約半数

緊急地震速報サービスにお金を出してもいい層が約9割、1,000円未満が約7割 発表会ではSCOOPのデモも披露された

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.tsunagunet.com/info/2007/0724_a.html

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( 三柳英樹 )
2007/07/24 18:09

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