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脆弱性を修正した「Adobe Reader 8.1.1」公開


 アドビシステムズは22日、「Acrobat 8.1」のアップデータおよび「Adobe Reader 8.1.1」の提供を開始した。10月5日に公表された脆弱性が修正されている。同社サイトから無償ダウンロードできる。

 今回のアップデータは、バージョン8.1.0に適用するもので、8.0および8.1で確認された脆弱性を修正している。これは、Windows XPでInternet Explorer 7(IE 7)をインストールしている場合に影響を受けるものだ。

 Adobe Systemsのセキュリティ情報によれば、エンドユーザーが悪意のあるファイルをAdobe ReaderやAcrobatで読み込んだ際に、脆弱性を突かれてシステムがコントロールされるという。脆弱性が確認されたのは、バージョン8.1およびバージョン7.0.9で、CADなどの3Dモデルに対応した「Acrobat 3D」にも存在する。

 なお、バージョン7.0.9用のアップデータは個別に用意しているという。また、バージョン6.xは影響を受けないとしている。

 今回のアップデータが公開された翌23日に、この脆弱性を悪用するトロイの木馬「Pidief.A」を発見したと米Symantecがブログで発表している。「invoice」「statement」「bill」といった件名のメールに、「INVOICE.pdf」「YOUR_BILL.pdf」「BILL.pdf」「STATEMET.pdf」などのPDFファイルが添付されており、開くと脆弱性を突かれてマルウェアをダウンロードする。

 Symantecによれば、Pidief.Aを含むスパムメールは、特定の企業をターゲットにしてばらまかれたもので、既にかなりの数の当該メールを確認しているという。同社では、早期に定義ファイルの更新、およびAdobe ReaderとAcrobatのアップデートを呼びかけている。

 このほか、バージョン8.1.1では、多数の不具合も修正されている。


関連情報

URL
  Acrobat製品およびAdobe Readerの8.1.1アップデータについて
  http://support.adobe.co.jp/faq/faq/qadoc.sv?232607+002
  Adobe Systemsのセキュリティ情報(英文)
  http://www.adobe.com/support/security/bulletins/apsb07-18.html
  Symantec Security Response Weblog(英文)
  http://www.symantec.com/enterprise/security_response/weblog/2007/10/when_pdfs_attack_again.html

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( 野津 誠 )
2007/10/24 13:55

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