|
啓発ページ「やめようID売買」
|
ヤフーは、ネットオークション詐欺対策の一環として、Yahoo! JAPAN IDの不正売買根絶に向けた取り組みを本格的に開始した。啓発ページを開設し、本人確認済みのIDの売買を行なわないようユーザーに呼びかけるとともに、IDの売買サイトなどの通報を受け付ける体制も整えた。
この取り組みは、「Yahoo!オークション」における商品未着トラブル撲滅に向けた対策として、2007年12月5日付で発表した中の1つ。すでに12月20日より「やめようID売買」と題した啓発ページを公開しており、Yahoo! JAPAN IDの第三者への譲渡や貸与などを禁止していることや、売買されたIDが詐欺などで悪用されていることを説明。「Yahoo! JAPAN IDは、売らない、買わない。売買を見つけたら報告。」をキャッチフレーズに掲げ、協力を求めている。
ヤフーによると、高額なアルバイトと称してYahoo! JAPAN IDの取得を募るサイトがあり、犯罪に加担しているとの意識なしに、IDを登録してしまうユーザーもいるという。また、使わなくなったIDを買い取るサイトも確認されているほか、インターネット上以外でも直接取り引きを持ちかけるケースもあるようだ。
ヤフーでは、ユーザーが販売したYahoo! JAPAN IDが仮に詐欺などの犯罪に使われた場合、詐欺の実行犯だけでなく、IDを売り渡した人も犯罪に加担したことになるとし、「IDを販売しただけ」では済まされないと指摘。さらには、詐欺被害者だけでなく、ヤフー自体への損害でもあるとし、本人確認済みのIDの不正売買者に対しては損害賠償請求を行なう姿勢も示している。
啓発ページとあわせ、Yahoo! JAPAN IDが売買されているのを発見した際にヤフーに通報できる専用の報告フォームも用意。IDを売買しているサイトのURLやメールのヘッダ情報などの提供を求めている。ヤフーによると、すでにかなりの数の情報が寄せられているとしており、実際に掲示板やサーバーの管理者に対して削除要請するまでに至った事例もあるという。
● 本人確認の厳格化を受け、Yahoo! JAPAN IDが高値取り引き?
ヤフーでは、Yahoo!オークションで発生した詐欺被害に対して、被害者に過失がなかった場合に被害額の8割を補償金として被害者に支払っている。この補償金の総額は、2004年が6億8,000万円、2005年が10億2,000万円、2006年が7億2,000万円だったのに対して、2007年は第3四半期までの9カ月間の合計だが、9,000万円と大幅に減少している。ヤフーによる不正パトロールの強化や、Yahoo!オークションに初めて出品するユーザーに対して導入した、宅配業者による「配送本人確認」制度などが効果を上げてきた結果だ。
その一方で、本人確認の厳格化により、詐欺に悪用するYahoo! JAPAN IDが容易には調達できなくなってきたことで、本人確認済みのIDが掲示板などで高額で売買されるようになった模様だ。検索エンジンを使うことでも売買情報を多数確認でき、例えば、評価が10件までのIDが25,000円、100件では40,000円などと、評価件数によって価格が設定されている。さらには、銀行口座とのセットで10万円以上で販売するといった書き込も見られた。前述の方法で買い取られたIDのほか、住所なども含めて完全に他人になりすまして取得したIDや、フィッシングで盗みとられたIDなども販売されていると見られるという。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://pr.yahoo.co.jp/release/2007/1205a.html
やめようID売買
http://special.auctions.yahoo.co.jp/html/idbaibai/index.html
ヤフオク護身術
http://auctions.yahoo.co.jp/phtml/auc/jp/notice/trouble/
■関連記事
・ ヤフオク、携帯電話本体カテゴリなどで商品到着後決済を義務化(2007/12/05)
・ Yahoo!オークション、詐欺被害者への補償額が前年比で半減(2006/11/10)
・ ヤフオクが出品者の本人確認を強化、佐川急便配達員が免許証などで視認(2006/11/14)
( 永沢 茂 )
2008/01/08 18:52
- ページの先頭へ-
|