米国の700MHz周波数帯オークションが18日に終了したことが明らかになり、20日にその落札者が米携帯大手のVerizon Wirelessであることが発表された。注目されていたGoogleは、ライセンスを1つも落札しないという結果に終わった。
このオークションは、米国内におけるアナログテレビ停波に伴い、その周波数帯を解放するために米連邦通信委員会(FCC)によって開催されたもの。結果的に落札総額は192億ドルという周波数帯オークション史上最高を記録した。
全米をカバーする携帯無線ネットワークを運用するために必要だとして注目された「Cブロック」のオークションは、Verizon Wirelessが6つの主要なライセンスを獲得したことが発表された。
このCブロックにはGoogleも入札していたため、大きな注目を集めていたが、18日までにGoogleは落札できなかったと見られていた。Googleは20日に公式ブログにコメントを発表し、実際、同社が1つのライセンスも落札しなかったことを確認した。
Googleが落札できなかったのか、それとも意図的に落札しなかったのかは今のところ明らかになっていない。公式ブログに寄せたコメントによると、現時点でGoogleはルールによりこのオークションについて多くをコメントすることができず、しばらくしてからコメントすることになると説明している。
しかしGoogleは2007年に700MHz周波数帯オークションに入札することを表明した際、携帯電話ネットワークをオープンにするよう強力なロビー活動を展開した。その結果、この周波数帯の落札者は、使用する端末やソフトウェア、アプリケーション、コンテンツ、サービス、ネットワークのすべてをオープンにしなければならないことになった。今回落札したVerizon Wirelessはこの要求に従うことを確約しているとFCCは明らかにしている。
Googleは携帯OSプラットフォーム「Android」を開発しており、オープンネットワークではこれを生かすことができるため、結局、落札の可否にかかわらず果実を得たとする考え方もある。
関連情報
■URL
米連邦通信委員会のニュースリリース(英文、PDF)
http://hraunfoss.fcc.gov/edocs_public/attachmatch/DOC-280968A1.pdf
Google公式ブログの該当記事(英文)
http://googleblog.blogspot.com/2008/03/end-of-fcc-700-mhz-auction.html
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/03/21 12:01
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