Internet Watch logo
記事検索
最新ニュース

日本の電気・情報のデータべースサイト「電気のデジタル博物館」


電気のデジタル博物館(入門向けのトップページ)
 電気電子・情報関連の5学会と国立情報学研究所(NII)は26日、日本の電気・情報技術を検索できるWebサイト「電気のデジタル博物館」を開設した。利用は無料。正式名称は、「日本の電子電気・情報関連卓越技術データベース(DB-JET)」で、現在約600の項目を用意している。

 「電気のデジタル博物館」では、国内の科学技術を検索し、解説を閲覧できる。収録している情報は、1970年代から現在までに開発された技術の説明や写真、図面、文献などのデータ約4,000件で、それらを600項目にまとめている。ページは入門向けと専門向けを用意する。

 入門向けページは、家庭内を再現したFlashベースのトップ画面から、PCや携帯電話、放送、照明などの各アイテムをクリックすることで、サブカテゴリーを開き、関連技術の一覧から解説ページを閲覧できる。さらに詳しい内容が知りたければ、同項目の専門向けページへ移動することも可能。また、PCの時計と連動し、閲覧する日時によって、部屋のカレンダーや、風景が変わる仕組みになっている。

 専門向けページは、トップ画面で年代と技術リストを表示し、何年にどの分野で、どのような技術が開発されたのかを調べられる。例えば、1980年の通信技術欄をクリックすると、サブウィンドウに「電子情報通信の基礎・境界技術」などの分類と具体名が表示され、解説ページにリンクする。加えて、キーワード検索や自然文検索機能も備える。このほか、年表では科学技術に関連する出来事や、世の中の出来事もわかるようになっている。また、英語版も用意。現在は全体の2割程度まで英語化が進んでいる。


入門向けのサブカテゴリー 技術の一覧ページ 入門向けの技術解説ページ

専門向けのトップページ 専門向けの技術解説ページ 英語版のトップページ。入門向けの英語版も検討する

 26日に行なわれた記者発表会では、卓越技術データベース構築委員会委員長の末松安晴氏(NII顧問)が、「電気のデジタル博物館」開設の経緯について説明した。「我が国が持つ世界トップレベルの技術をデータベースとして記録し、世界に発信したいという考えから開発を行なった。文部科学省などが行なっている科学研究費補助金を受け、5年かけて構築した」と話す。作成時は、電気電子・情報関連の5学会に声をかけ、学会が推薦する技術を収集した。各学会は、ボランティアベースで協力している。

 入門向けは、中学2年生程度の学力・知識でもわかるように編集しているという。「中学2年レベルであれば、誰が読んでもわかる内容になるだろうと考えた。そうやって作ったものを1年前に試験公開したが、難しいという声が多く、1年かけて大幅に改定した」とのことだ。また、掲載情報でわかららない部分があれば、問い合わせも受け付ける。通常の問い合わせに対しては、NIIにある運営事務局が答えることになるが、専門知識が必要な場合は、各学会の担当者が答えるという。今後は、コンテンツの拡充と英語化を進める。

 なお、「電気のデジタル博物館」にある内容は、非営利および学校教育での利用に限り、複製や印刷、ダウンロードを認めている。


卓越技術データベース構築委員会の末松委員長 データべースの参加機関など

関連情報

URL
  電気のデジタル博物館
  http://www.dbjet.jp/
  国立情報学研究所
  http://www.nii.ac.jp/
  ニュースリリース(PDF)
  http://www.nii.ac.jp/kouhou/NIIPress07_06-1.pdf

関連記事
ヤフー、検索語データを情報爆発プロジェクトの研究者向けに無償提供(2008/03/03)
最大40Gbpsの超高速学術ネットワーク「SINET3」運用開始(2007/06/01)
国立情報学研究所、学術論文約300万件をGoogleから検索可能に(2007/04/09)


( 野津 誠 )
2008/03/26 19:35

- ページの先頭へ-

INTERNET Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.