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「RIAAによるP2P利用者訴訟キャンペーンは失敗」米EFFが報告書


 非営利組織の米Electronic Frontier Foundation(EFF)は1日、全米レコード協会(RIAA)がP2Pファイル共有サービス利用者に対して5年間にわたって行ってきた訴訟キャンペーンが失敗に終わったとする報告書を発表した。

 RIAAは2003年9月以来、3万人近くの米国人に対し、P2Pファイル共有ソフトの利用に関連して訴訟を起こしてきた。報告書では、この訴訟キャンペーンの経過について詳細にまとめ、多くの裁判でRIAAの捜査手法や主張に法的疑義が唱えられたことを指摘した。

 また、このような大規模なキャンペーンにもかかわらず、P2Pファイル共有自体は減少していないと指摘。これには、カリフォルニア大学、Pew Internet and American Life Project、その他の権威ある調査会社など複数の調査結果が引用され、いずれもファイル共有が減少していないことを裏付けている。

 RIAAは「ファイル共有によるダウンロードは違法であり、深刻な結果を招く」とし、このような態度を取ることによって、利用者を教育できると主張してきた。しかし報告書では、若者の88%が違法だと認識しつつも、56%は引き続きダウンロードを続けているという結果も紹介し、RIAAの主張を否定した。

 さらに、iTunes Storeなど合法的な音楽サービスと、P2Pネットワークによるダウンロード数を比較し、訴えられるからと言って、消費者がダウンロード購入するわけでもない点も指摘した。実際、国際レコード連盟が発表した調査報告書の数字と比較することによって、ダウンロードの実に95%が正当なソースではないものからであったことを指摘している。

 また、RIAAの訴訟キャンペーンによって、多くのユーザーがより発見されにくいファイル共有ソフトや技術を利用するようになったことも指摘した。


月額5ドルで合法的に音楽ファイル共有、EFFが提案

 こうしたことからEFFは、「個々の米国音楽ファンに対するRIAAの訴訟キャンペーンは失敗した」と断定。EFFでは、訴訟を起こす代わりに音楽業界が寄附を集めるための組織を作り、例えば月額5ドルで音楽ファンが自由にファイル共有を合法的に行えるようにすることを提案している。

 ユーザーはこの費用を支払う限り、任意のソフトウェアやプラットフォームを使って自分の好きな音楽をファイル共有することが許される。集められたお金については、音楽の人気に応じて権利者の間で分ける取り決めを作る。

 EFFは、このような仕組みはラジオ局、ライブパフォーマンス、バーやレストランなどで音楽を使用するために、これまでにも使用されてきたことを指摘し、アーティストが報酬を受けるためにも新しいビジネスモデルを採用すべきだと主張している。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.eff.org/press/archives/2008/09/30
  報告書(英文)
  http://www.eff.org/wp/riaa-v-people-years-later

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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/10/02 13:21

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