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「Google Earth 5.0」公開、海底探検や過去の画像の閲覧が可能に


Google Earth 5.0
 米Googleは2日、Google Earthのメジャーバージョンアップとなる「Google Earth 5.0」ベータ版を公開した。Google Earth 5.0では、海底の地形の様子を観察できるようになったほか、過去の衛星航空画像を表示したり、火星の高解像度画像や地形状況を探索できるようになった。英語、日本語を含む41カ国語に対応しており、これまでの26カ国語から大きく対応言語を増やした。

 Google Earth 5.0では、新たに海の中にもコンテンツを追加。海中の様子や海底の地形などを観察できるようになった。海の中だけで20のコンテンツレイヤーが設けられており、たとえば「Explore the Ocean」レイヤーでは、世界各地の海中名所に関連した写真や動画を見ることができる。これらのコンテンツは、世界中の80を超える組織や個人から提供を受けたものだ。

 このほか「ナショナルジオグラフィック」レイヤーでは、海に関するクイズや、同社の海洋地図から取ったオーバーレイ画像を表示させることができる。また、著名な海洋冒険家ジャック・クストー氏による動画アーカイブや、英BBCの「BBC Earth」コンテンツ、難破船探検や、海洋温度を観察できる米海軍海洋局によるデータなど、様々なコンテンツが用意されている。これらのコンテンツや海底地形の3Dデータなどを作成するために、100以上のコンテンツパートナーが貢献しており、日本からは財団法人日本水路協会がデータを提供している。


 また、Google Earth 5.0では海中のコンテンツ以外にも多数の新機能が追加された。

 新機能の1つは、過去の衛星航空画像を見ることができる機能だ。ツールバーにある時計アイコンをクリックすると、タイムスライダーが表示され、マウスでドラッグすることによって、その地点の過去の画像を時系列で表示していくことができる。

 たとえば、サンフランシスコやラスベガスのような街の発展、英国ロンドンのヒースロー空港ターミナルビルの建設状況、ドイツ2006年ワールドカップのサッカースタジアムが建設されていく様子などを見ることができる。また、地球環境の変化と人間の活動により、中央アジアのアラル海がどんどん縮小していく様子など、環境問題について学習するコンテンツとして利用することもできる。

 さらにGoogle Earth 5.0の新しいコンテンツとしては、火星のコンテンツを見ることができる「Google Mars 3D機能」が用意された。ツールバーで、Google EarthからGoogle Marsに切り換えることができ、火星の高解像度画像や火星表面の3D地形、火星の主要な地形、山、火山、クレーターなどの情報を見ることができる。また、バイキング探査機やマースグローバルサーベイヤー探査機による画像、火星の赤外線画像などのコンテンツレイヤーが用意されている。

 これらのデータは、GoogleとNASAが2006年11月に締結した契約「Space Act Agreement」が結実したものだ。この契約では、NASAの保有データをGoogleが一般に広く公開する役割を担うことになっており、その実現のため、GoogleとNASAエイムズ研究所は、米カーネギーメロン大学やSETIなど他の研究機関と共同して作業を行ったという。

 このほか、Google Earth 5.0では、オリジナルツアーを記録するための機能を搭載。ツールバーにある小さなカメラのアイコンをクリックすることによってこの機能が利用でき、Google Earthの中で目的地を移動しながら、音声でナレーションを付けられる。録画したツアーはKMLファイルとして保存でき、これをWebサイトで公開すれば、どのGoogle Earthからでも同じツアーを楽しむことができる。

 さらに、Google Earth 5.0では、有料版の「Google Earth Plus」「Google Earth Pro」でしか利用できなかった「GPSトラッキング機能」が追加された。これにより、GPS端末を使って作成したデータを、Google Earth上で視覚的に確認することができる。









関連情報

URL
  Google Earthダウンロードページ
  http://earth.google.co.jp/
  ニュースリリース(英文)
  http://www.google.com/intl/en/press/pressrel/20090202earthocean.html

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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2009/02/03 12:44

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