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楽天・三木谷社長が“お願い”メール、医薬品ネット販売規制で


三木谷社長は2008年11月の決算説明会でも医薬品のネット販売規制に強く反対していた
 厚生労働省が6日、一般医薬品の通信販売を2009年6月から制限する省令を公布したことを受け、楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は9日、これまで名刺を交換した人に対して、「【楽天 三木谷】ご協力お願いいたします!」と題したメールを送信した。省令に反対する自らの考えを伝えるとともに、6月の施行までに再改正を働きかけるために、署名活動に協力してほしいと呼びかけている。

 省令では、一般医薬品をリスクの高い順に「第1類」「第2類」「第3類」と分類し、通信販売は「第3類」に限定するとしている。これにより、「ガスター10」などのH2ブロッカー含有薬、「リアップ」などの発毛薬、「ウィンダム」などの水虫薬、「ルル」などの風邪薬、「コーラック」などの便秘薬、「ボラギノールA」などの痔薬をはじめ、多数の医薬品のネット販売が規制されることになる。

 これに対して三木谷氏が送信したメールでは、「今までの私の楽天人生において出会うことのできた方々に今の私の考えをどうしてもお伝えしたく、メールを書かせていただきました」との書き出しで、一般医薬品の通信販売を制限する省令について「国民不在の行政」と批判するとともに、省令の実効性にも疑問を感じていると主張。また、地方の薬局や通販業者の数多くが廃業に追い込まれるはずとして行政を非難した。

 三木谷氏によれば、内閣総理大臣の諮問機関である規制改革会議では、省令案の段階で「法律に基づかない規制は違法性もある」と指摘していたという。しかし、十分な議論が行われないまま省令が公布されたとして、「規制推進派だけの検討会の議論だけでやってしまおうとすることに大きな憤りと疑問を感じています」と苦言を呈した。

 なお、舛添要一厚生労働大臣は6日、医薬品のネット販売のあり方などを議論するための検討会を同大臣の下に設置すると発言。検討結果によっては省令を再び見直す可能性もあるとしたが、三木谷氏は「検討会の委員の19人中15人が今回の省令案のもととなった報告書をまとめたメンバーであり、建設的に議論をしていこうという姿勢がみえづらい」としている。

 こうしたことから三木谷氏は、医薬品の通信販売継続のための署名活動をさらに強化し、6月の施行までに再改正を働きかけたいと説明。また、三木谷氏の考えに協力してもらうために、自らが送ったメールを家族や友人、職場で転送してほしいとまで呼びかけている。なお、メールの送信件数については明らかにしていないが、過去に名刺交換した人に送っているとすれば、膨大な数に上ると思われる。


「単なる薬事の問題だけではない」さらなるネット規制強化を危ぐ

 楽天は2008年11月以降、楽天市場のトップページ最上部に「薬事法の省令再改正を求めます!」と訴えるバナー広告を掲載しているほか、各コーナーや注文手続き完了画面でもリンクを通じて署名を行うページへの誘導を図っている。署名ページは、楽天市場にログインした状態であれば、会員情報をもとに氏名や住所、メールアドレスなどが自動登録される仕組みだ。

 しかし、こうした楽天の署名収集方法については、全国薬害被害者団体連絡協議会をはじめとした市民団体などからは、「確認画面もなく、また取消もできません」「ワンクリック詐欺にも共通」「不当と言わざるを得ない」といった非難の声も上がっている。さらに、「現に私たちのもとには、意思に反して署名をする結果となってしまったとする通報も寄せられています」としており、署名活動の中止を要求している。

 楽天がここまで積極的に署名活動を展開し、医薬品のネット販売の継続を訴えているのは、他の分野においても今後、十分に議論されずにネットへの規制強化がなされることを危ぐしているためだ。三木谷氏はメールで、「本件は単なる薬事の問題だけではなく、このような規制を認めてしまうと次々に同様な規制をかけることを容認してしまい、日本の将来に大きな禍根を残してしまう」と述べている。


関連情報

URL
  楽天市場
  http://www.rakuten.co.jp/

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( 増田 覚 )
2009/02/10 16:24

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