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楽天2008年決算、TBS株式評価損などで純損益549億円の赤字

医薬品ネット販売規制は「絶対変えてもらいます」

楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏

2008年連結決算の概要
 楽天は13日、2008年通期(2008年1月~12月)の連結決算を発表した。純損失が549億7700万円となり、4年ぶりの赤字となった。TBS株式の評価損や子会社の減損処理などで合計809億1100万円の特別損失を計上したことが要因。売上高は2498億8300万円(前年比16.8%増)。営業利益471億5100万円(同91.4%増)と経常利益445億3100万円(同65.6%増)はともに過去最高。

 決算内容について楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は、「厳しい金融環境の中で過去最高の営業利益と経常利益を達成できた。赤字事業についても、コスト削減で着実に黒字化が進展している」と評価。純損失を出したことについては、「株式マーケットの減損がほとんどで、不可抗力のところが多い」と述べた。

 事業別では、「楽天市場」や「楽天ブックス」などのEC事業が売上高910億7300万円(前年比20.6%増)、営業利益260億6600万円(同33.4%増)で、ともに過去最高。楽天市場は2008年第4四半期で、ユニーク購入者数が703万人(前年同期比21.0%増)に達したほか、注文件数も2419万件(同29.4%増)と成長を持続した。

 楽天市場好調の要因について三木谷氏は、「景気低迷の影響から節約需要が高まる中、大抵の商品はネットの方が安く買えるため」と説明。最近では、本質的に問題のない商品を格安で買える「訳あり商品」や、外出を控えて家での生活を豊かにする「巣ごもり消費」などの傾向も見られたとしている。

 楽天市場と同様に好調だったのは、「楽天トラベル」などのトラベル事業で、売上高161億9800万円(同25.5%増)、営業利益74億6200万円(同24.3%増)。「Infoseek」などのポータル・メディア事業は、第3四半期から連結を開始したオーネットの寄与もあり、売上高は96億8000万円(同28.9%増)、営業損失も前年の3億6200万円から2億500万円の赤字に縮小した。

 「楽天KC」などのクレジット・ペイメント事業は、売上高が659億1100万円(同6.1%減)となったが、楽天KCにおける大幅な損益改善により営業利益は107億300万円となり、前年の251億7500万円の損失から大きく改善。また、2月10日に連結子会社化したイーバンク銀行については、楽天クレジットとの事業統合を図り、今後は個人向けローンのマーケティングや、楽天ユーザー向けの決済サービスを中心に提供するという。

 2009年の取り組みとしては、楽天の各サービスが構成する「楽天経済圏」のさらなる強化を明言。業界2位以下のサービスについて戦略的な取り組みを行うとしたほか、楽天の顧客データベースを活用して、顧客の志向に応じた会員向けメールを配信するなど、パーソナライズコンテンツを推進するとした。「台湾進出が順調」という国際展開については、他国への進出を検討するという。

 このほか三木谷氏は、厚生労働省が一般医薬品の通信販売を2009年6月から制限する省令を公布したことについても言及。「絶対変えてもらおうと思ってますんで、みなさんご協力お願いします」と述べ、6月の施行までに再改正を実現する考えを力強く示した。


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URL
  楽天 投資家向け情報
  http://www.rakuten.co.jp/info/ir/

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( 増田 覚 )
2009/02/13 19:32

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