電子情報技術産業協会(JEITA)は13日、Blu-ray Disc(ブルーレイディスク)を私的録音録画補償金制度の対象とすることを盛り込んだ著作権法施行令の改正案に対して、無料デジタル放送の録画は課金対象とならないことを明確化することなどを求めた意見を提出したことを明らかにした。
私的録音録画補償金制度は、デジタル方式での録音・録画について一定の割合で補償金を徴収し、著作権者に対して還元する制度。現在はDATやMD、CD-R/RW、DVD-R/RW/RAMなどの媒体・機器が制度の対象となっている。改正案は、ブルーレイディスクと録画機器を制度の対象として加えることを目的としている。
JEITAでは、2008年6月に経済産業省と文部科学省の間で交わされた合意の中で、無料デジタル放送の取り扱いについては合意に至っていないが、現在のブルーレイディスクレコーダーがアナログチューナーを搭載しており、アナログ放送のデジタル録画も可能であることも踏まえ、暫定的な措置として対象機器とすることが確認されていると指摘。JEITAでは両省に対して合意文書の情報公開請求を行い、開示を受けたとして、合意文書の内容を紹介している。
JEITAでは、ブルーレイに対する課金はこの合意文書に基づいて行われるべきだとして、「未解決の無料デジタル放送の録画に対しては、課金されないことを明確にするように修正すべきである」「失効規定などを追加し、本政令が『暫定的な措置』であり『恒久的な措置ではない』ことを明確にすべきである」と主張。また、ブルーレイ規格をより正確に特定するために、規格の条件にレーザー波長とレンズ開口数の記載を加えるよう求めている。
一方、音楽や映像などの権利者団体で構成される「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」では5日、この問題に対して「関係者が速やかに合意されるものと確信している」と意見を表明。実演家著作隣接権センター(CPRA)運営委員の椎名和夫氏は、「両省大臣の合意では、今回の指定がデジタル放送のコピールールであるダビング10の早期実現のための環境整備であるとすでに明言されている」として、ブルーレイへの課金をアナログ放送の録画に限定するという主張はありえないとしており、両者の意見は対立している。
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■URL
著作権法施行令の一部を改正する政令案への意見の提出について
http://home.jeita.or.jp/lip/inf.html
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( 三柳英樹 )
2009/02/16 14:10
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