ヤフーは28日、2008年度通期(2008年4月~2009年3月)の連結決算を発表した。売上高は2657億5400万円(前年度比1.4%増)、営業利益は1346億1800万(7.9%増)、経常利益は1329億1200万円(9.4%増)、当期純利益は747億1500万円(19.3%増)で、サービス開始以来12期連続の増収増益となった。
なお、2008年度より、従来は売上原価に計上していたパートナーサイトに支払うTAC(Traffic Acquisition Cost)や販売費、および一般管理費に計上していた販売代理店に支払う手数料については売上高から控除する「ネット表示」に変更した。
事業別の売上高では、広告事業が引き続き好調だったほか、パーソナルサービス事業もで増収。一方、ビジネスサービス事業は減収だった。
順調に推移した広告事業では、ディスプレイ広告が大幅に伸びたほか、検索連動型広告はヤフーグループ以外の媒体での採用が増えるなど好調だった。しかし、2008年度後半の景気後退を受け、ディスプレイ広告は第4四半期に売上が減少。検索連動型広告も一部の業種で広告出稿が大きく減少した。なお、興味関心連動型広告「インタレストマッチ」は売上拡大が続き、モバイル広告も検索連動型広告の売上が大幅に伸びた。
パーソナルサービス事業は、「Yahoo!プレミアム」で2008年12月に月額会費を値上げしたが、会員限定サービスの拡充や外部パートナーとの特典連携を図った結果、2009年3月末のYahoo!プレミアム会員ID数は過去最大の736万ID(前年同月末比6.4%増)となり、売上も増加した。
「Yahoo!オークション」では出品数が増加したほか、モバイル経由の取扱高が成長。しかし、不況感による消費者心理の落ち込みの影響もあり落札単価が減少したほか、ファッションなどのカテゴリーが不振で、全体の取扱高は前年度比で減少した。なお、有料コンテンツの売上は「Yahoo!パートナー」や「Yahoo!コミック」を中心に伸びたとしている。
不振だったビジネスサービス事業では、景気悪化に伴う企業の人材採用意欲の低下などにより「Yahoo!リクナビ」の売上が大きく減少し、前年度比でほぼ半減。「Yahoo!ショッピング」では、季節に応じた販促企画を展開するなどで取扱高が増加したが、「Yahoo! BB」の新規獲得インセンティブの減少の影響も大きく、事業全体としては減収だった。
このほか、4月30日付で連結子会社化を予定しているGyaOについては、「Yahoo!動画」との統合により、国内最大級のオフィシャル映像配信プラットフォームを実現すると説明。インフラやコンテンツ、サービスを一元化するなどして費用を大幅に削減し、2009年度における黒字化を目指すとしている。
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( 増田 覚 )
2009/04/28 22:07
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