自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

第35回

Wi-Fiが二重ルーター状態になっているかを確認するツールは?

 前回は、自宅のWi-Fiが二重ルーター状態になっているとはどういうことか、そのデメリットを解説した。まだ読んでいないなら、まず目を通しておいて欲しい。意外と知らずに二重ルーター状態のまま使っているケースがある。今回は、自宅のWi-Fiが二重ルーターになっているのかどうかをチェックするテクニックをお教えしていこう。まずは、この経路表示をするツールの紹介と使い方からだ。

二重ルーター状態を解消する作業の2回目は、経路をチェックするツールを紹介しよう。スマホなら出先で友人宅LANのチェックを頼まれた場合などでも気軽に使える

 二重ルーター状態になっているのかどうかは、インターネット接続の経路を調べることで判明する。インターネットではその仕組みから、閲覧するサーバーまでには、複数のサーバー(ルーターであることが多い)を経由してたどり着くのだが、その経路内で自宅部分を調べれば良いわけだ。

 この特定サーバーまでの経路探索には、「Traceroute」というターミナルコマンドが使われる。サーバーのURLを付けて実行すると、そこまでの経路を表示してくれる便利なツールだ。スマホではアプリを活用すれば良い。

 Androidスマホでは、以前、連載第17回「Wi-Fiルーターの『IPアドレス』を忘れたら?」でLANの探索に使った「Fing」がこの用途にも活用できる。このアプリは主にLAN内でどのような機器を使っているかを検索するのに便利なのだが、「Traceroute」を実行することもできる。iOS版のFingでは、残念ながら「Traceroute」機能が省かれているので、別のアプリを利用しよう。

Fing(Android)での経路検索

Fingを起動した画面。下部の[ネットワーク]タブをタップする
経路先サーバーのURLを記入して、[ルートのトレース]をタップ
経路が表示される

Network Ping Lite(iOS)での経路検索

「Network Ping Lite」を起動した画面。[Traceroute]をタップする
経路先サーバーのURLを記入して、[Start]をタップ
経路が表示される

 次にPCを使う場合のツールだ。もちろん自宅LAN内経由でインターネットに接続していることが前提になる。

 Windowsの場合は、「Windows Power Shell」もしくはコマンドプロンプト(cmd.exe)を使う。利用するコマンドはどちらも同じ。Windowsメニューを右クリックして[Windows Power Shell]を選択して起動できる。Windowsでは、「Traceroute」ではなく「Tracert」と入力するので注意する。起動後に、キーボードから「Tracert -d 8.8.8.8」[*1]と入力してエンターキーを押すと経路が表示される。

 macOSでは、ターミナルで実行しても良いが、「ネットワークユーティリティ」も使える。スポットライトで「ネットワーク」と記入していけば、インクリメンタルサーチでアプリがすぐに表示されるはずだ。[Traceroute]タブを表示させればよい。

「Windows Power Shell」で「Tracert -d 8.8.8.8」と実行する
macOSの「ネットワークユーティリティ」。経路先サーバーのURL記入し、[Trace]をクリックする

 実行時には、経路を知りたいサーバーのURLを記入するが、Googleや利用中のプロバイダーなど適当なサーバーを記入すればよい。URLでも良いしIPアドレスでも構わない。覚えやすい「8.8.8.8」というIPアドレスを使うと良いだろう。これはウェブサーバーではなく、Googleの公開DNS[*2]サーバーのIPアドレスだ。

 実行すると、経路のIPアドレスが順次表示される。もし最後までたどり着かなくても気にしなくてよい。結果表示された経路の読み方は次回お教えしよう。

[*1]……「-d」を付けると名前解決をしなくなるので実効速度が速くなる。付けなくても遅くなるだけで問題はない。もし入力したURLからIPv6の経路結果が表示されてしまったら、「-4」も付けて実行してみよう。IPv4の使用を強制できる。

[*2]……DNSサーバーとは、IPアドレスとURLを関連付け、名前を解決してくれるもの。ここで使っているURL「www.google.co.jp」のIPアドレスは「172.217.161.195」になる。これを変換してくれるサーバーだ。

今回の教訓(ポイント)

二重ルーター状態のチェックには、ネットの経路を調査する「Traceroute」を使う
スマホでは「Traceroute」を実行するアプリを活用しよう。

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。