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「LINE」「カカオトーク」「comm」、競争激化の無料通話アプリを振り返る

 NHN Japanの「LINE」をはじめ、カカオジャパンとヤフーが共同展開する「カカオトーク」、ディー・エヌ・エーの「comm」など、スマートフォン向けメッセンジャーアプリの競争が激化している。ここでは2012年に本誌で掲載した各社のニュース記事をまとめた。

コミュニケーションツールからプラットフォーム化へ舵を切った「LINE」

 世界8000万、国内3600万ユーザー(11月30日時点)を抱える「LINE」。2012年はPCやタブレットなどのマルチデバイスに対応したほか、LINEでつながっている友だちと楽しめるゲームや占い、クーポンなどを提供。通話やメールを中心としたコミュニケーションツールから、プラットフォーム化に向けて舵を切った。

 収益面では、170円で販売する有料スタンプの売上が9月時点で単月3億5000万円を突破。4週間の掲載期間で1000万円という企業向けの「スポンサードスタンプ」も好調だという。また、「友だち追加」したユーザーにクーポンやセール情報を配信できる「公式アカウント」(初期費用200万円、月額150万円、2013年1月以降は初期費用無料、月額800万円〜)や、公式アカウントの廉価版(初期費用・月額ともに5250円)となる「LINE@」も提供している。

ヤフー連携でユーザー拡大を狙う「カカオトーク」

 ヤフーは10月、韓国KAKAO子会社のカカオジャパンに資本参加し、「カカオトーク」を共同展開することを発表。カカオトークは2011年7月の日本法人設立に伴い、LINEよりも早い段階で日本語サービスを本格展開したが、国内ユーザーはLINEの約3600万人に対して約10分の1と大きく水を開けられている。今後はヤフーとの連携策でユーザー拡大を図る。

 機能面では11月に最大5人が参加できるグループ通話機能を追加、同月には韓国で2000万ダウンロードを突破したという人気ゲーム「Anipang(エニパン)」など3タイトルのゲームを投入した。12月には「乗換案内 Yahoo!ロコ」「Yahoo!ロコ地図」「Yahoo!ボックス」「DECOPIC」といったヤフーのサービスと連携し、路線情報や地図をカカオトーク上で共有したり、写真の共有やメッセージの保存を行えるようになった。

Yahoo!ロコ地図とカカオトークの連携イメージ

全スタンプ無料、高音質通話で差別化図る「comm」

 ディー・エヌ・エー(DeNA)は10月、実名での利用を前提とした「comm(コム)」を日本を含む世界204地域で公開。12月には、メッセージをやりとりする際に利用するスタンプを今後は無料化することを宣言。吉高由里子を起用したテレビCMを通じて高音質な通話をアピールするなど、2013年中頃までに国内1000万ダウンロードを目指す。

編集部