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大型アップデート「Windows 10 Anniversary Update」提供開始

 Microsoftは2日、開発コードネーム「Redstone 1」と呼ばれ、各種の新機能を搭載するWindows 10の大型アップデート「Windows 10 Anniversary Update」の提供を開始した。

 Windows 10 Anniversary Updateは、バージョン「1607」とされるアップグレードプログラム。そのほかの動作環境には変更はない。Windows 10は2015年7月末の提供の後、2015年11月にも大型アップデートとなるバージョン「1511」(開発コードネーム「Threshold 2」)が提供されている。

 PC向けのWindows 10 Anniversary Updateでは、32ビット版では、必要なメモリ容量がこれまでの1GBから2GBに変更されている点には注意が必要だ。また、ライセンス認証情報がMicrosoftアカウントと紐づけられ、ハードウェア構成を変更した場合に再度ライセンス認証が可能になっている。

 Microsoftでは順次、Windows 10 Anniversary Updateをロールアウトしていくとしているが、まだWindows Update経由での配信が行われていないPCにおいても、手動での即時アップグレードが可能だ。[設定]-[更新とセキュリティ]-「Windows Update」にある[詳細情報]を選ぶと、「Windows 10の更新履歴」というウェブページが表示される。そこで「Anniversary Updateを入手する」を選ぶとダウンロードされる「Windows 10 アップグレード アシスタント(Windows10Upgrade28084.exe)」を実行すると、Windows 10 Anniversary Updateへのアップグレードが行える。

 更新後に再起動すると、まずロック画面の壁紙が変更されていることに気付くだろう。サインイン画面もロック画面と同じ背景へと変更されている。

 スタートメニューには、これまでの「すべてのアプリ」がデフォルトで表示されるようになり、これまで表示されていた設定やエクスプローラー、電源などはボタン化された。

 設定画面やWindowsアプリの背景は、標準では白を基調としたものだが、[設定]-[個人用設定]-[色]からアプリのモードを「黒」に設定することで、黒を基調とした「ダークテーマ」に設定できるようになった。

 設定では、アクションセンターの下部に表示される「クイックアクション」に表示する項目をカスタマイズ可能になった。通知についても、タスクトレイに通知の数を表示可能になっている。

 通知には、Windows Defenderでの自動スキャン結果も通知されるほか、PCを再起動してOS起動前のオフラインの状態でマルウェアをスキャンできるモードが追加されるなど。セキュリティ面での強化も図られている。

 セキュリティ面ではそのほかに、生体認証機能「Windows Hello」が強化され、標準ウェブブラウザー「Microsoft Edge」でウェブサービスでの認証などにを利用可能となっている。

 Microsoft Edgeは、拡張機能を新たにサポートする。現時点では「AdBlock」「LastPass」「Amazon Assistant」「Evernote Web clipper」「OneNote Web clipper」「Pin It Button」「Save to Pocket」などの拡張機能をWindowsストアからダウンロードして利用可能だ。また、タブのピン留めをはじめ、新たな機能も追加されている。

 また、Edgeでは、CPUとメモリの使用量を削減することで、省電力を果たし、バッテリー消費が節約されている。さらにHTML5を中心としたウェブ標準技術のサポートも拡大。これによりアクセシビリティの強化などもなされている。

 音声アシスタント「Cortana」もアップデートされ、ロック画面で利用可能になるほか、Windows 10 MobileやAndroid端末とのデバイス間同期を新たにサポート。不在着信やメッセージ、バッテリー容量の低下などの通知をPCで受け取ることができるほか、スマートフォンの位置をPCから尋ねることもできる。

 Windows Inkの機能も強化され、スクリーンショットやスケッチ機能で、スタイラスペンにより迅速にメモが作成できるほか、OfficeやEdge、地図などのアプリとの統合がより進んでいる。

 「Connect」アプリがMiracastに対応、Android端末の画面をデスクトップ上に表示可能となっている。また、Xbox Oneとの連携機能も強化されている。

 このほか、開発者向けの機能として、「Windows Subsystem for Linux(Beta)」が搭載され、コマンドラインで「Bash」を利用可能となった。

 なお、Windows 10 Anniversary Updateは、Windows 10 Mobile向けにも提供される。さらに今後は、提供時期は未定だが、次の大型アップデートとなる開発コードネーム「Redstone 2」が予定されている。