ニュース

Evernote、データインフラをGoogle Cloud Platformへ移行

 米Evernoteは13日、自社のシステムを「Google Cloud Platform(GCP)」に移行する計画を発表した。10月10日からGCP上の仮想サーバーにデータを移行する作業を開始して6~8週間でデータの同期を完了する。その後、年末までに移行作業を完了する予定。

 Evernoteではこれまで、米国西海岸にある2カ所のデータセンターにあるサーバーとネットワークを自社で保有し、すべての設定と保守を行っていた。これにより自分たちの思い通りにサービスを構築できる反面、維持費が割高で、アップグレードに時間を要し、拡張性も高くなかったという。

 将来のサービス運用で求められるスピードと柔軟性への対応と、2億人のユーザーが使用する数十億のファイルに対する品質とパフォーマンス、セキュリティを継続的に提供することを念頭に、複数のクラウドサービスを検討した結果、GCPが選択された。

 この移行により、数日を要していたサーバーのアップデートに費やしていたリソースを、開発作業や主要製品の改善に割り当てることが可能になるという。また、Evernoteに保存データの暗号化機能を追加するほか、Googleのディープラーニング技術の一部を利用した新サービスの開発なども行うとしている。

 移行作業では、30分以内のサービス一時停止が2回の発生するが、これ以外のユーザーへの影響はないとのこと。このサービス一時停止はEvernote Statusページや公式Twitterアカウントでアナウンスする。

 GCPへの移行後には、米国中部と西海岸にあるGCPのデータセンター2拠点にデータが格納されるという。GoogleによるEvernoteデータへのアクセスは制限される。Evernoteのデータ保護に関する3原則は、今回の移行でも変化はないとのことだ。