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フランス産IoT忘れ物発見デバイス、「Wistiki」シリーズの国内販売開始

Wistiki発案者のLussato三兄弟(Theo氏、Hugo氏、Bruno氏)

 仏Wistikiと株式会社美貴本は24日、フランスの著名工業デザイナーが手がけたBLEビーコンタグ「Wistiki」シリーズの日本展開を開始すると発表した。スティックタイプの「voilà!」を2月1日、ペンダントタイプの「aha!」を3月24日に発売する。価格はともに5980円(税別)。

スティックタイプの「voilà!」
ペンダントタイプの「aha!」

 Wistikiは、ペットの首輪や鍵など身の回りのものに取り付けることで、紛失した際に呼び出しベルを鳴らしたり、スマートフォン/タブレットのBluetooth機能と連携して場所を特定できるIoTデバイス。「スーパードライホール」(東京都墨田区)などを手がけたフランスの工業クリエイター、フィリップ・スタルク氏がデザインを手がけており、開発・製造もフランスで行うなど“100%フランス製”であることを謳っている。

 スマートフォン/タブレットからWistikiのベルを鳴らしたり、Wistikiからの電波強度を確認できるほか、Bluetooth通信が途切れる際に通知する「忘れモノ防止アラート」機能、近づいた際に通知する「近づきアラート」機能も装備。万が一紛失しても、最後にスマートフォンと通信した時点の位置情報を地図で表示できる。さらに、他のユーザーがWistikiの近くを通ることで位置情報を更新する機能も備える。また、Wistikiの位置情報はアプリ上で複数のユーザーと共有できるため、車の鍵など家族と共有するものにも活用できそうだ。

Wistikiからスマートフォンを呼び出す機能なども備える
Wistikiを共有しているユーザーを一覧表示。
Wistikiからの電波強度も確認できる
複数のユーザーでアラームを同時に鳴らすことはできないが、閲覧中のユーザーはWistikiの場所を地図上から確認できる

 今回ラインアップされた2製品に基本的な性能の違いはないが、voilà!は鍵や鞄、傘、自転車などシーンを選ばず使える大きさとしており、aha!は猫などペットの首輪に通しやすいデザインになっているという。どちらも防水使用となっており、CR2032の電池で約2年間動作。それぞれ、オレンジ、レモン、ローズ、バイオレットの4色をラインアップしている。なお、同日行われた記者発表会ではクレジットカード型の「Hopla!」も発表されたが、現在開発中となっており、発売時期は未定としている。

 voilà!の本体の大きさは23×62×6mm(幅×奥行×厚さ)aha!が29×39×9mm(幅×奥行×厚さ)、重さはともに11g。

飼い猫を探す手間を省くために始まったプロジェクト

 Wistikiは、同製品発案者のLussato三兄弟(Theo氏、Hugo氏、Bruno氏)の飼い猫の居場所を追跡することから始まったプロジェクトで、Wistikiの名前の由来も飼い猫から来ている。

 商品化するにあたり、2014年にクラウドファンディングで支援を募ったところ、目標額の400%を達成するなど想像以上の反響を得られたという。そこでは、当初想定していたペットへの使用だけでなく、忘れ物などへの取り付けの需要が見られたそうだ。2014年10~12月には5万個を売り上げ、2015年にはフランス市場におけるワイヤレスタグ売上個数シェアは90%になった。

 日本では2016年春にクラウドファンディングサイト「MotionGallery」を通じて約4000万円の支援金を獲得。世界展開をする上で日本を視野に入れた理由として、クラウドファンディングの結果から、日本にも製品の需要があることや、同社の目指すデザインの“美”を日本のユーザーが受け入れる可能性があることを挙げた。

フランスでのワイヤレスタグ売り上げ個数シェアは90%以上を占める
日本では2016年春にクラウドファンディングを実施。約4000万円の支援金を集めた

 国内販売をサポートする美貴本の中村保幸氏によると、日本ではトレンドやデザインに敏感な人や、ライフスタイルに対してこだわりを持つ層をターゲットにするという。「商品のポジショニングとしては単なるIoT製品としてではなく、アクセサリーとしても展開したい」と述べた。