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高齢者の仮想通貨トラブル急増、ネット取り引き、勧誘うのみで購入

 ネット上で流通する「仮想通貨」の購入をめぐる高齢者の消費者トラブルが急増している。インターネットを使わない高齢者が仕組みを理解しないまま勧誘されて購入し、売却できなくなるケースが多い。仮想通貨は利用拡大が見込まれている一方で、価格変動が激しくリスクが高い側面もあり、専門家は「契約内容を理解しないままもうけ話に飛びつかないで」と注意を呼びかけている。

 国民生活センターによると、平成26年度に194件だった仮想通貨に関する相談は、28年度には819件と4倍に増加。このうち、60代以上の高齢者が48%を占める。すでに金銭を支払ったという相談398件のうち、100万円以上は150件と、被害も高額に上っている。

 目立つのは、ネットを使っていないにもかかわらず、「必ず値上がりする」といった勧誘文句をうのみにして購入している高齢者だ。都内の80代男性は業者から「仮想通貨を買わないか」「年末には数十倍に値上がりする」などと勧誘を受け、300万円を業者に手渡したが、返金を求めても拒否されるようになった。契約の際にはログイン名やパスワードを設定させられたが、そもそも男性はネットを使っていなかったという。

 仮想通貨は、政府や中央銀行による信用の裏付けはない。代表的な「ビットコイン」をめぐっては、26年に日本を拠点としていた取引所「マウントゴックス」が破綻し、利用者が大きな被害を受けた経緯もある。

 しかしその後、ビットコインを含む仮想通貨の利用者を保護するルール作りの機運が高まり、昨年5月に、仮想通貨を実際の通貨と交換する業者を登録制とする改正資金決済法が成立。4月1日に施行された。同法では、売買や管理を行う仮想通貨の交換業者に対し、登録制の導入や、利用者への情報提供義務を定めるなど、消費者保護の観点から規制を強化した。

 大手家電量販店「ビックカメラ」が海外から来た旅行客の利便性の向上を狙い、ビットコインによる決済サービスを4月7日に都内2店舗で開始するなど、仮想通貨は、国内でも普及が見込まれている。一方、仮想通貨は価格変動リスクが大きく、将来必ず値上がりする保証はない。国民生活センターは「仕組みやリスクが分からないまま契約しないで」と警鐘を鳴らしている。