IPAへの年間ウイルス被害届出、前年比大幅減も感染手法は巧妙に


ウイルスの届出状況の推移

 IPA(情報処理推進機構)は6日、2009年におけるウイルス・不正アクセスの届出状況をとりまとめた。ウイルスの年間届出件数は1万6392件に上り、2008年の2万1591件から大幅に減少した。届出件数は2004年の5万2151件をピークに減少傾向にあるが、IPAでは「大規模な感染拡大を引き起こす大量メール配信型のウイルスが出現していないことから、届出件数が年々減少している」と分析している。

 2009年に届出されたウイルスは125種類(2008年は136種類)で、そのうち2009年に初めて届出されたウイルスは9種類(2008年19種類)。検出数の多い順は上から、「W32/Netsky」「W32/Downad」「W32/Mydoom」だった。W32/Netskyは2004年以降、毎年最も多くの届出が寄せられている。W32/Downadは脆弱性を悪用するウイルスで、USBメモリを介して感染を拡大する機能を有した亜種も確認されている。

 IPAでは2009年におけるウイルス感染経路について、「2008年よりも巧妙で広範囲からウイルスを感染させる仕組みになっている様子が伺える。中でも、改ざんされた企業や個人のWebサイトを閲覧した利用者のパソコンに感染するウイルスや、USBメモリなどの外部記憶媒体を介して感染が拡大するウイルスは現在も猛威を振るっている」とコメントしている。

 また、2009年における不正アクセス届出状況は149件となり、2008年の155件から約4%減少。届出のうち実際に被害があったケースは107件で、2008年の156件から減少した。被害内容では、「オンラインサービスの不正利用」が32件で最も多く、以下は「ファイルの書き変え」(30件)、「ホームページ改ざん」(14件)と続いた。ホームページ改ざんについては、昨年の5件から増加した。


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(増田 覚)

2010/1/6 17:35