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Impress R&D、電子出版をテーマにした週刊の電子雑誌「OnDeck」創刊


「On Deck」創刊号表紙

 株式会社インプレスR&Dは12月22日、電子出版をテーマに、週刊電子雑誌「On Deck(オンデッキ)」を創刊すると発表した。創刊号は「On Deck」のサイトから無料でダウンロード可能。2011年2月までは無料期間として隔週ペースで発行し、2011年3月より有料メディアとして週刊で発行する。有料化後の価格は定期購読で1号あたり300円程度、インプレスR&Dが運営する「libura PRO」で販売する予定だ。

 電子出版をテーマとした「OnDeck」は、電子出版ビジネスに関わる業界人をターゲットとして、電子出版製品、サービス、技術、市場などの情報を電子雑誌として週刊で刊行する。読者は出版関係者とIT業界にまたがることが想定されるため、それぞれの専門用語を平易に解説するなどの配慮をして編集していくという。

 誌名となった「OnDeck」という言葉は、「船の甲板」「準備万端」などと訳され、野球用語では「ネクストバッターズサークル」、ボーイスカウトでは「備えよ」という意味で使われる。最近ではiPadやAndroidのタブレット端末などでコンテンツやアプリを流通させることを「OnDeck」と呼ばれることもあり、こうしたことから新しい時代にに向けた誌名として「OnDeck」を採用したという。

 「OnDeck」の配信フォーマットは、リフロー形式の国際標準規格EPUB(Ver.2)を採用。EPUBフォーマット採用により、表示する端末の画面サイズに合わせて文章を自動調整して最適化表示する(リフロー)ことができる。EPUB形式のほか、印刷用途のために簡易組版版のPDFも用意する。

 EPUBフォーマットで閲覧できるモバイル/タブレット端末は、iPhone/iPad(「iBooks」アプリ)、GALAXY Tab(純正アプリ「ブックBook」)、米国版SONY Readerなど。Androidでは標準でプリインストールされたEPUBリーダーアプリはないが、各社のアプリストアでEPUBリーダーが複数提供されており、これらのアプリを利用することでEPUB形式で閲覧できる。

 PC環境では、無料のEPUBリーダーソフト「Adobe Digital Editions」、Firefoxの無料プラグイン「EPUBReader」などを利用することでEPUBの閲覧が可能だ。

 ビジネスモデルとしては有料の購読料を収益の柱として、電子雑誌広告なども実証実験をかねて導入していく。購読料は、定期購読では1号あたり300円程度、単号販売では1号あたり600円程度を予定する。

 また、EPUBフォーマットについては日本語特有の組版やルビ、圏点などの仕様が盛り込まれたEPUB3(EPUB Ver.3)が2011年5月にリリースされる予定だ。出版社などコンテンツホルダーはEPUBフォーマットへの対応については、EPUB3待ちで対応を検討したり、準備を進めているところが多い。こうした事情もあり、EPUBをはじめとしたリフロー型コンテンツは、制作手法や配信方式、閲覧するビューワー環境など、定番と言える環境がまだないのが実情だ。

 こうした背景から、Impress R&Dでは、電子書籍ビジネスに関する最新情報を提供すると同時に、読者とともにノウハウを蓄積していく実験メディアとしての取り組みも積極的に行っていく考え。リフロー型コンテンツの表現方法、EPUBビューワーによる見え方の違い、読者の利用端末など市場調査も含めた検証を行っていくほか、SNSとの連携や電子雑誌の広告実験、コンテンツのカスタマイズ販売など広く協力社を募っていくとしている。

EPUBフォーマットで作られた「OnDeck」誌面をiPadやiPhoneで表示したところ

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(工藤 ひろえ)

2010/12/22 09:00