Microsoft、IE9でGoogleからプライバシーを守る方法を紹介


 米Microsoftは21日、GoogleがInternet Explorer(IE)のプライバシー保護機能を回避して、Cookieでユーザーをトラッキングしていたことが確認されたと発表した。MicrosoftのIE担当コーポレートバイスプレジデントであるDean Hachamovitch氏が「IEBlog」の同日付記事で明らかにした。

 Appleのウェブブラウザー「Safari」のプライバシー機能をGoogleが回避していたとの報道を受け、MicrosoftがIEについてはどうか調査したところ、手法は異なるが、似たようなことが行われていることが判明した。IEにおいては、プライバシー保護のためのW3C標準「P3P(Platform for Privacy Preferences Project)」の対応機能を回避し、サードパーティのCookieをIEに送り込んでユーザーをトラッキングしていたとしている。

 Hachamovitch氏によると、IEのデフォルト設定では、Cookieやユーザー情報の活用目的などのポリシーをP3P Compact Policyとして提示していないサイトでは、サードパーティのCookieをブロックする仕様になっている。しかし、同標準では、ブラウザーが未定義のP3Pポリシーに遭遇した際には無視するよう規定しているという。Googleはこの仕様を用い、実際は機能しないポリシーを提示することで、トラッキング目的のCookieではないものとブラウザーに解釈させ、CookieをIEに受け入れさせていたとしている。

 MicrosoftではGoogleに対し、すべてのブラウザーでP3Pを遵守するよう求めるとととに、ユーザーに対しては、IE9の「追跡防止」アドオンを使ってGoogleからプライバシーを守る方法を推奨している。同アドオンは広告企業などによるユーザーのトラッキングを防止できる機能で、具体的には、Google関連サイトを追跡防止リストに追加するというかたちだ。

IE9の追跡防止リストに追加したGoogle関連サイトのリスト

 GoogleがSafariのプライバシー機能を回避していたことは、米スタンフォード大学の研究者が発見し、Wall Street Journalが先週報じたことで広く知れ渡ることになった。米Electronic Frontier Foundationでは、その概要をまとめるとともに、サードパーティのトラッキングCookieをブロックする手段も紹介している。IE9の追跡防止リストのほか、FirefoxやGoogle Chrome向けの「AdBlock Plus」アドオンを挙げている。


関連情報


(永沢 茂)

2012/2/21 18:15