震災状況の「ストリートビュー」エリア2倍に拡大、世界遺産・平泉も公開


 グーグル株式会社は29日、東日本大震災の被災地域の「ストリートビュー」について、公開エリアを約2倍に拡大したと発表した。また、世界遺産に昨年登録された岩手県平泉の中尊寺などのストリートビューも公開した。

 震災の記憶をとどめ、広く知ってもらうことを目的として、被災地の現状をストリートビューに記録・公開する「東日本大震災ストリートビューデジタルアーカイブプロジェクト」として、昨年12月より公開を開始していたもの。今回、福島県東白川郡矢祭町と石川郡玉川村の2町村を追加。公開エリアは青森、岩手、宮城、山形、福島、茨城の6県/47市町村となった。すでに公開されていた市町村も、青森県八戸市周辺、岩手県宮古市周辺の沿岸部、福島県相馬市周辺などを中心に拡大した。

福島県相馬市沿岸部

 また、各地の名所や各種施設などのストリートビューを集めた「スペシャルコレクション」において、昨年、新たに世界遺産に登録された岩手県平泉の風景を公開した。中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山が公開されており、「ストリートビューギャラリー」サイトの「東北」カテゴリーから閲覧できる。

 これらは、ストリートビュー専用の3輪自転車「トライク」で撮影されたもの。YouTubeでは、撮影時の様子を紹介する動画が公開されており、中尊寺金色堂に続く緩い階段をトライクで降りてくる様子などが見られる。毛越寺住職・志羅山浩順氏のメッセージも収録している。

 なお、「東北」カテゴリーでは、宮城県仙台市のサンモール一番街商店街やハピナ名掛丁商店街といったアーケード商店街のストリートビューもリストアップしている。

中尊寺金色堂への階段

 グーグルではこのほか、飲食店をはじめとした各種店舗・施設内をストリートビューのように360度見渡せる「おみせフォト」において、東北地方の数百店舗を公開したと発表した。「おみせフォトギャラリー」のサイトなどから閲覧可能だ。


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(永沢 茂)

2012/2/29 18:24