Googleが災害対応を強化、「ライフラインマップ」など新サービス
グーグル株式会社は7日、災害対応に関する新たな取り組みとして、携帯電話の通話可能エリアやガス、道路といったインフラの復旧情報を地図上で表示する「Google災害時ライフラインマップ」を公開した。
携帯電話に関してはKDDI・沖縄セルラーと提携し、auのエリア復旧状況を表示。そのほか、東京ガスが提供するガスの復旧エリア、本田技研工業が提供する自動車通行実績エリアも閲覧できる。
現在はデモンストレーションとして、東日本大震災が発生した2011年3月時の情報を表示。今後は他の携帯電話会社、東京ガスの供給エリア外のガス、全国の水道や電気といったインフラ全般を地図上で表示していきたいという。
auの通話可能エリア | 東京ガスの復旧エリア | 自動車の通行実績エリア |
●パーソンファインダーは3月11日限定で試験運用
また、災害時に被災者の消息情報を検索できる「Google Person Finder(パーソンファインダー)」は、NTTドコモが提供する「災害用伝言板」、KDDI・沖縄セルラーが提供する「災害用伝言板サービス」から利用可能となった。
これにより、携帯電話からパーソンファインダーにアクセスしやすくなるだけでなく、従来通りパーソンファインダーで家族や友人の携帯電話の番号を検索すると、各携帯キャリアが提供する災害用伝言板サービスに直接アクセスできるようになる。
グーグルは通常、災害時のみにパーソンファインダーを提供しているが、3月11日に限定して試験提供する。製品開発本部長の徳生健太郎氏は、「実際にどのように動くかを体験すれば、有事の時にもスムーズに使える」と試験提供の狙いを説明する。
●災害対応サービスのまとめサイトを常設
さらに、グーグルが提供する震災関連情報サービスやツールをまとめたサイトを常設する。災害時ライフラインマップやパーソンファインダーなどのサービスを集約するほか、同社の「クライシスレスポンスチーム」の活動も掲載していく。
なお、米Googleには世界中で発生した大規模災害に対応するクライシスレスポンスチームがある。東日本大震災が発生した直後には日本でもチームが発足し、即座にパーソンファインダーを始動させている。
グーグルは「東日本大震災において、情報サービスには何ができ、何ができなかったのか」という観点から、クライシスレスポンスの活動記録を紹介するサイト「東日本大震災と情報、インターネット、Google」を開設。同サイトではジャーナリストの林信行氏とエディターの山路達也氏に依頼し、「Google外部の視点」で毎週金曜日に1本ずつの連載形式でクライシスレスポンスの活動を振り返っていく。
グーグルは東日本大震災後からの約1年間を振り返り、「次の災害の時には、もっと速く、広く、もっと多く、情報を伝えたい」と強く感じたという。そこで、災害時に必要とされるデータを提供してくれるパートナー企業を募集する問い合わせフォームも設置した。
東日本大震災と情報、インターネット、Google |
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(増田 覚)
2012/3/7 13:55
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