B-CAS発行元が見解「刑事・民事の両面からあらゆる法的措置を講じる」


 B-CASカードの発行元である、株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズは6月20日、B-CASカード改ざんおよび不正利用についての見解を発表。「今後も不正行為に対しては関係当局及び関係各社と連携し、刑事・民事の両面からあらゆる法的措置を講じ、厳正に対処していきたい」として、不正利用に対して追求していくことを明言した。

 同社は事件の概要について、不正改ざん関係ではすでに報道されている逮捕者について掲載。B-CASカードを不正に改ざんして有料放送を無料視聴できるようにする「不正改ざんプログラム」をインターネットで提供したとして、東京都内の36才の男性が不正競争防止法違反の疑いで逮捕されたこと、自宅でB-CASカードを不正に改ざんし有料放送を無料で見られるようにしたとして、京都府の30才の男性が刑法の電磁的記録不正作出などの疑いで逮捕されたと説明した。

 また、B-CASカードを改ざんして有料放送を無料視聴できるようにした「BLACK-CASカード」と呼ばれる不正改ざんカードをネットオークションで販売したとして、東京都内の43才の男性が不正競争防止法違反の疑いで逮捕されたことも説明。

 3件とも京都府警による逮捕。さらにビーエス・コンディショナルアクセスシステムズは、警察が「BLACK-CASカード」の購入者5人の自宅を家宅捜索して事件の全容解明を進めていることも明らかにしている。

 ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズは、「当社見解」として、B-CASカードの不正改ざんは刑事罰の対象になるだけでなく、有料放送を無料視聴する行為も損害賠償請求の対象になると説明したうえで、「刑事・民事の両面からあらゆる法的措置を講じ、厳正に対処していきたい」としており、民事訴訟による賠償請求も含めて追求していく構えを見せている。

 ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズが発表した「当社見解」の全文は以下の通り。

捜査当局による今回の摘発は、B-CASカードを不正に改ざんする方法をインターネットなどで提供したり、これを悪用してカードを改ざんしたりする行為が犯罪であることを示したもので、この様な悪質な行為に警鐘を鳴らすものであると受け止めています。捜査当局の更なる捜査により、速やかに事件の全容が解明されることを期待しています。
また、B-CASカードの不正改ざんは、刑事罰の対象になるだけでなく、有料放送を無料視聴する行為も損害賠償請求の対象になります。
当社としては、今後も不正行為に対しては関係当局及び関係各社と連携し、刑事・民事の両面からあらゆる法的措置を講じ、厳正に対処していきたいと考えています。



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(工藤 ひろえ)

2012/6/20 21:35