“クリーンな”まとめは可能か、「NAVERまとめ」が公式画像1億枚を用意
NHN Japan株式会社は26日、特定のテーマに沿ったリンクや画像、動画などを集約して“まとめ記事”を作成できるサービス「NAVERまとめ」において、「ゲッティイメージズ」や「Amazon.co.jp」など5社のサービスと提携。まとめ作成者向けに公式画像コンテンツの提供を開始した。
●Amazonや食べログの画像を許諾不要で利用できる、地図組み込みも可能に
まとめ作成者は、ゲッティイメージズのプロカメラマンが撮影した画像や、Amazon.co.jpに掲載されている商品画像などの中から、まとめ記事のテーマに沿った画像を利用できる。「TripAdvisor」「食べログ」「ホットペッパービューティー」の3サービスの画像も利用可能だ。各サービスが提供する画像数は非公開だが、合計で1億点を上回る。
これまでは「Google 検索」「NAVER 検索」「Flickr」から画像コンテンツを検索・追加可能だった。
Getty Imagesの画像選択画面 |
Amazon.co.jpの画像選択画面 |
今回の提携によりユーザーは、事業者の許諾を得ずに各サービスの画像が使えるようになり、視認性の高いまとめ記事が作成できるという。コンテンツ事業者はまとめ記事を通じて、画像をクリックしたユーザーを自社サービスに誘導したり、ブランド認知の向上が図れるのがメリットだ。
このほか、まとめ記事内の各コンテンツに、Googleマップによる位置情報を付与する機能も追加。特に、今回提携したグルメサイト「食べログ」と旅行口コミサイト「TripAdvisor」はサービス上に投稿された全画像を提供するため、これらのコンテンツと位置情報をひも付ければ、まとめ記事をタウンガイドのように表現することも可能としている。
地図機能のイメージ画像。スマートフォン向けに最適化されているため、外出先でも手軽に確認できる |
●“ただ乗り”はネット全体の問題、公式画像提供でクリアにしたい
NHN Japan執行役員の島村武志氏 |
NAVERまとめは、広告収益をまとめ作成者に還元する施策などにより順調に成長を続けており、NHN Japanによれば、月間ページビューは約6億9000万、ユニークユーザー数は約2800万人に上るという。しかし、サービスの影響力や存在感が増していく中で、まとめ記事に対する著作権侵害の指摘がなされることもあった。
当然のことながら、NAVERまとめは利用規約で他人の権利を侵害する行為を禁止しており、ユーザーが画像や動画を掲載する際には、権利者の許諾を得ることを求めている。他人の著作物を無許諾で投稿するまとめ記事については、権利者からの削除要請に基づき、NHN Japanで権利侵害を確認次第、該当コンテンツの削除を求める対応などを行ってきた。
こうした著作権対策について「それだけで免罪符があるとは思っていない」と語るのはNHN Japan執行役員の島村武志氏。今回の提携で公式画像を用意することにより、ユーザーは著作権侵害の心配をせずに、まとめの作成に集中できるのが大きいと話す。「今回の提携は権利侵害解決の一歩になる」。
「まとめサイトが(他人の著作物に)ただ乗りしているという指摘があるが、それはNAVERまとめや2ちゃんまとめブログだけでなくネット全体の問題。NAVERまとめとしては、クリアにできるところはやっていきたい。利用許諾済みの画像が増えるほど、NAVERまとめはクリアな世界だよねとなる。そうなれば、事業者側もさらに画像を提供してくれるはず。今後もNAVERまとめに興味を持ってくれる事業者と提携し、まとめ作成者に表現力を与える画像を増やしたい。」
将来的には、まとめ記事にコンテンツを引用される側である、個人ユーザーを含む権利者にもメリットを還元する仕組みを検討したいという。「NAVERまとめは良質な情報と読者をつなげるナビの役割だが、それも情報源があってこそ。権利者、まとめ作成者、エンドユーザーが共存共栄できるエコシステムを作らなければならないと考えている。」
関連情報
(増田 覚)
2012/9/26 13:00
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