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リベンジポルノ被害者の窓口サイト開設、プロバイダーへの削除依頼を代行、拡散前に早期相談を
2015年は81%の削除実績
2016年3月25日 20:41
一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)が、リベンジポルノ被害者向けの啓発サイト「リベンジポルノの被害にあわれたら」を開設した。被害者からの通報に基づき、リベンジポルノ画像が掲載されたSNSやアダルトサイトなどの運営者に対し、SIAが被害者に代わって連絡をとって削除を要請する。その大部分を占める海外プロバイダーのリベンジポルノ画像についても、高い削除率を実現しているという。
SIAは、インターネット上の違法・有害情報の通報窓口「セーフライン」を運営しており、一般から寄せられる通報や自主パトロールによって違法・有害情報を把握。警察へ通報するとともに、それら違法・有害情報の掲載サイトの運営者に対して、国内・海外を問わず、削除要請を出す活動に取り組んでいる。
特に児童ポルノやリベンジポルノ、ネットいじめ動画像など、立場の弱い個人の権利を侵害する情報の削除に重点を置いているのが特徴だ。特に2015年は児童ポルノの自主パトロールを強化し、1年間で5466件の児童ポルノを把握。それらの掲載サイト(国内3%、海外97%)に対して削除を依頼し、そのうちの4333件で削除を実現したという。削除率は79%に上る。
一方、リベンジポルノについては、第三者からはリベンジポルノかどうかの判断はできないため、SAIが自主パトロールによって発見する方法がとれない。被害者本人からセーフラインに通報があって、初めて削除依頼などに動き出すことになる。
実はSIAはこれまでも、「Yahoo!検索」で「リベンジポルノ」とキーワード検索すると、検索結果ページにセーフラインの通報受付サイトの誘導リンクを掲載するなどして認知拡大を図っており、2015年の1年間に25件の相談が寄せられた。これをもとにSIAが拡散先を調査し、削除要請を出した件数は472件(国内19%、海外81%)。このうち81%にあたる381件が削除に至った。削除された情報のうち、3分の2は要請してから3日以内に削除されており、2週間以内には8割が削除されたという。
ただし、拡散先(削除依頼先)が少数にとどまる事例ではすべて削除されるケースが多いのに対し、相談1件で拡散先が数十件にも上る事例など、削除依頼先が多数ある場合は全件削除に至らないこともある。リベンジポルノ画像を削除するには、画像が広く拡散してしまう前の段階で早期に相談してもらうことが重要だとして、被害者本人にセーフラインの利用を促すため啓発サイトを開設することにした。
同サイトでは、被害者本人からの通報を受け付けてリベンジポルノ画像の削除を進める一方、精神面のケアも必要なことから、「東京ウィメンズプラザ」の相談窓口も紹介。また、画像をネットに流出させた加害者の処罰などに向け、警察に相談することも案内している。
SIAには現在、会員としてヤフー株式会社、アルプスシステムインテグレーション株式会社、ピットクルー株式会社、株式会社ミクシィ、グリー株式会社、株式会社サイバーエージェント、アマゾンジャパン株式会社、さくらインターネット株式会社、GMOグローバルサイン株式会社が参加し、各社が運営コストを負担している。